スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2026年6月24日 (水)

W杯日本代表スウェーデン戦へダラス到着 〇か△でトーナメント進出も強豪国の常識「GL突破のその先」に備える試合 ロシアW杯3戦目の先発6人替えから築いてきた「誰が出ても変わらない」森保Jの本領が発揮されるか

米・ナッシュビル23日(日本時間24日)天候晴れ、気温29度、湿度45%

25日のGL第3戦スウェーデン戦(日本時間26日午前8時)に決勝トーナメント進出をかける日本代表はこの日、冒頭15分間のみを公開しトレーニング会場のナッシュビルSCからそのままチャーター機でスウェーデン戦が行われるダラスに入った。初戦のオランダ戦でひざを痛めた久保建英は帯同せずナッシュビルに残りリハビリに専念する。
 スウェーデン戦に引き分け以上でグループ2位以上が確定し決勝トーナメント進出。チュニジア戦終了時点で、日本で出場していないのはDF長友佑都、発熱のために同戦はベンチ外だったFW町野修斗、GK早川友基、GK大迫敬介の4人でチーム全体がフル活動している。
 一方、2試合180分にフル出場を果たしたのが、GK鈴木彩艶、DF伊藤洋輝、MF佐野海舟の3人。
 スウェーデン戦で重要なのは選手たちが口を揃える「目の前の勝ち点」(長友)なのは当然だ。加えてこの試合には日本代表のW杯史上重要なテーマの克服もかかる。トーナメントに勝ち進んだ場合、個人もチームも心身ともどこまで充実した状態で臨めるかという難問だ。出場国が48になりGLの日程に従来より余裕が出た状況に、日本代表はすでにここまで2回の休日(半日も含め)を入れた。
 
 ヒントになるのは18年のロシアW杯と3戦目だ。初戦のコロンビアに勝ち、セネガルに引き分けて勝ち点4でGL突破をかけて最終戦でポーランドと対戦した。
 W杯6大会目だった日本代表が初めて想定した「グループリーグ突破のその
先」という新たなテーマのため、西野朗監督はこれを実現するためにポーランド戦で主力を温存し先発6人ものターンオーバーを敢行。大会後のインタビューで「日本代表が将来、ベスト8、ベスト4、優勝を狙ううえで重要になるのはW杯のようなほかの大会にはない長丁場をチームとしてどうマネージメントしていくかだ。(ロシア大会では)決勝トーナメント1回戦を突破するために6人替えを選択した」(西野監督)と話した。
 
 グループリーグ3試合、270分の先を見越す。W杯強豪国、優勝を狙う上では常識ともいえる高さに目線を
置いたこの1戦の重みを、森保監督はコーチとして、長谷部誠コーチ、長友佑都、帯同する吉田麻也は選手として経験した。
 当時は「まだ出ていない選手たちは(試合に出たくて)うずうずしているはずです」(吉田麻也)とサブの出場でこのテーマに臨んだ。そして森保監督が指揮を執った8年で日本代表に「サブ」はもはや死語となり、森保監督はコーチで経験し掴んだ大きなテーマを乗り越え、優勝を狙えるチームにするために「誰が出ても変わらない」日本代表をここまで育ててきた。
 監督をはじめ多くの経験者の貴重な実体験と、大幅に底上げされてきた日本代表の現状が「トーナメントのその先」にどう取り組むかスウェーデン戦で明確になる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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