スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2026年2月28日 (土)

百年構想リーグJ1 最大瞬間風速17㍍の風を掴んだ鹿島がセットプレー3点で浦和を3-2と逆転、勝ち点10で暫定首位に 精密な逆転CKを決めた柴崎「チームが報われるような形を願っていた」

28日=埼玉スタジアム(観衆52841人)J1の百年構想リーグが各地で行われ、最大瞬間風速17㍍を記録し強風注意報が発令された埼スタでは浦和が鹿島に序盤から狙い通りの展開で2点をリードしながら、最後は2―3とで手痛い逆転負けを喫した。鹿島は強風の中でセットプレー3得点の精密さで勝ち点を10に伸ばして暫定首位に立った。

 浦和は序盤、ホーム5万人の大サポーターと風上を優位に高い位置からのプレスで鹿島を揺さぶった。前半14分、DF関根貴大―MF金子拓郎とつなぎ金子が右からゴール前に鋭いクロスを送ると、今季加入のルーキーFW肥田野蓮治が詰めて先制ゴールをあげた。19分にもDF荻原拓也の左CKから、最後はファーサイドに詰めたMF渡邊凌磨が決めて2-0と主導権を握る。
 浦和が優勢と思われたが前半40分、鹿島のMF三竿健斗が頭で折り返したボールが浦和の関根の手をかすめ、ここでVARが入りし鹿島がPKを獲得。昨季Jリーグ得点王のレオ・セアラがゴール右に決め、浦和にプレッシャーをかける1点を返して2-1で後半へ。ともにゴールを奪いに行くオープンな打ち合いに今度は鹿島が風上に立ち浦和ゴールを攻める。10分には樋口の右CKにFW鈴木優磨がヘディングシュートで合わせて同点とする。鈴木は今大会の初ゴール。

 畳みかける鹿島は後半45分、投入されたばかりのベテラン、MF柴崎岳がCKからゴール前を狙うと同じく途中出場のFWチャヴリッチがヘディングシュートを決めて3-2と試合巧者ぶりを見せつけた展開で暫定首位に立った。浦和は公式戦では鹿島に5年ほど未勝利(21年4月の対戦を最後)と苦手カードとなってしまった。
 試合後、逆転アシストを決めった鹿島の柴崎が取材ゾーンで「前半に1点を返せたのが先ずは大きかった」と粘った前半の戦いを振り返り、自身の交代について「もし自分が出てチャンスが作れても1回だと思っていた。スルーパスでもセットプレーでもいいかな、と思っていたので達成できてよかった。(同点まで粘った)チームが報われるような形を願っていた」ともっとも風が舞っていたコーナーからの精密なキックを冷静に振り返った。
 途中出場でも結果を出すために「(日々取り組んでいるのは)プレーを楽しむことを大切にしている」と話す。33歳の余裕が強風が舞い続けた試合の行方を決めた。
 浦和のスコルジャ監督は試合後の会見で「非常に痛い敗戦だ。この試合の教訓は、このような(鹿島のようなビルドアップの質が極めて高い)チームとの対戦ではあまりオープンな戦いはしない、ということになる」と悔しがった。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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