スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年11月13日 (木)

 「代表監督未踏の指揮100試合は、‘彼’のゴールで始まった・・・」森保ジャパン最初の得点者、南野拓実「勝ち切る試合を」課題をあげる

 2018年ロシアW杯後、日本代表監督に就任した就任した森保一監督(57)にとって、今年最後の強化試合となる19日のボリビア戦が国際Aマッチ通算100試合目となる。監督はメンバー発表の日、100試合について聞かれ「(100試合到達は)皆さんに教えていただいて、やっと気付いたということで、何か特別な思いはありません」と笑った。そして「日本代表として世界に挑ませていただける、日本人の喜びと誇りを持って仕事をさせていただいて本当に幸せだと感じています。目の前の試合に最善の準備をして、ベストを尽くすということ。監督就任1試合目から同じ気持ちでやってきて、これからも変わらぬ気持ちで、長期的なビジョンを持ちながら目の前の一戦一戦勝利を目指して、全力を尽くしていきたい」と、あくまで通過点と捉える。

 12日の練習後には取材に南野拓実(30=モナコ)が対応した。南野は先月のブラジル戦のゴールで国際Aマッチ25得点とし、FW大迫勇也(35=神戸)と9位タイに並んだ。26点目を奪えばMF木村和司氏に肩を並べる。
 14日のガーナ戦に向けて聞かれると「相手を1枚はがしたり、強引にシュートにいって決めきる力が大事になる」とし、9、10月シリーズでブラジル初めて勝ったもののメキシコ、パラグアイに引き分け、米国に敗れたチームの試合運びを課題にあげる。
 「僕らが自分たちと同じぐらいのレベルの相手に勝ち切れてないのは問題」と話す。すでにW杯出場を決めているガーナはFIFAランク73位。今季プレミアリーグで11試合で6得点を記録するFWアントワーヌ・セメニョ(ボーンマス)は出場するだけに、南野が指摘する「勝ち切れるか」W杯に向けて重要なテーマだ。
 質問への的確な答え、チームとして勝ち切ると聞いた後、「個人の目標」を聞いてもやはり「勝ち切ること」と言う。やるべきプレーとチームの課題が整理されているからなのだろう。
 同じモナコのブラジル代表DFカイオ・エンリケとのエピソードも披露した。日本が初勝利した試合、アンチェロッティ(監督)が「ハーフタイムに絶対にこのまま緩めるな、って彼らに言ったらしいですが、彼らは(日本に前半2-0で)勝ったやろ、って感じに・・・試合後、アンチェロッティはめっちゃ怒ってたらしいですけど…」と、ユーモアを交えてメディアに明かす。
 2018年9月11日、日本人として初めて五輪と日本代表の兼任監督に就任した森保監督の100試合の起点となった「初陣」は0-3で勝利したコスタリカ戦。前半16分の「森保ジャパン初ゴール」はオウンゴールだったが、後半21分に最初の得点者となったのが南野だった(3点目は伊東)。

 30歳になった南野の落ち着きぶり、全体を見て話す視野を囲みで見ながら、森保ジャパンの100試合はこの人のゴールでスタートを切り、加速し、ここまで走り続けてきたのだと改めて7年の重みを感じた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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