スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年11月22日 (土)

東京デフリンピック大会8日目 男子サッカー1-0でアメリカを下し決勝進出、初のメダルも確定 25日に男女ともに決勝に臨む 「目標としてきた世界一へ、願った舞台にようやく立てる」Gk松元キャプテン

22日=Jビレッジ(福島)天候晴れ、気温14度、湿度55%  日本で初開催となる聴覚障害者による国際スポーツ大会「デフリンピック東京大会」8日目、サッカー男子日本代表が準決勝で米国と対戦した。前半10分、左サイドから岡田侑也のクロスに星河真一郎が頭で決めて立ち上がりに先制し後半も守り切って1―0でアメリカを下した。デフサッカー史上初のメダルも確定した。決勝は、準決勝のもう1試合、トルコ対フランスの勝者と対戦する(トルコとの対戦が決定)
 この日は観客が増えると見込まれ午前中に当初予定されていたピッチから収容の大きなスタジアムへ会場が変更となった。多くの観客が詰め掛け、選手にサインエールを送るなどデフ競技に触れ、帰りには選手バスの「出待ち」にも多くのファンが集まるほどだった。
 ここまでグループリーグ3試合(オーストラリア、メキシコ、イタリア)準々決勝(イギリス)、この日の準決勝と5試合を中1日の超ハードなスケジュールで戦い抜いてきた日本代表にとって、フィジカルの強いアメリカとの試合は激しいファールと球際での攻防に耐えられるかが重要なテーマに。前半からチャンスは作ったが決めきれず、その結果、後半になってアメリカに押し込まれる展開になった。
 しかしこうした苦境で明確になったストロングポイントがあった。前任監督のパワハラ問題の発覚で今大会を前に一時は代表監督不在に陥るなか迎えた齋藤登・新監督のもと、細かく築き上げた充実したコミュニケーションが拮抗した
試合を分ける一因ともなった。
 GKで主将の松元卓巳(36)は「これで目標としてきた世界一へ、願った舞台にようやく立てる。まずはあす身体をしっかり休めたい」と安堵した表情を見せた。松元とともに長く代表を戦ってきた35歳の古島啓太も「僕らの目標である最低でも世界一、最高でも世界一、に近づけた。決勝はきょうのような試合はしない」と決定機を決めきれなかった試合を課題にあげた。
 ケニアの欠場で出場が4カ国となった女子も日本代表が決勝進出を決めメダルを確定させており、男女とも25日にJビレッジで決勝に臨む。
 斎藤監督試合後のコメント 「一言、(ゴールチャンス
を)決めようよ!という試合だった。金メダルを狙う私たちにとって絶対に落とせない一戦で非常に苦しい試合になったが、自分たちでヒリヒリするような試合にしてしまった。(こうした
国際大会の準決勝まで)中1日でのスケジュールでは負傷者も出るし、サッカーの世界では無茶な話。幸い25日の決勝まで中2日となるのでトルコでもフランスでもしっかりと対策をして臨みたい。
 決勝ゴールを奪った星河信一郎 いい時間にゴールできてよかった。チームのためにしっかり戦うだけです。(決勝だからといって)やることは変わらない。一喜一憂せずにいい準備をしたい。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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