スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年9月21日 (日)

世界陸上大会最終日 豪雨の大逆転マイルリレー(1600㍍)を制したのはボツワナリレー初の金メダルを獲得

 21日=国立競技場 天候雨、気温23度、湿度90% 
 男子1600㍍リレーが行われ、レース直前、トラックにも水が少しづつ溜まっていくほど強く、冷たい雨が降りしきる中、終始トップグループを走ったボツワナがアンカーでアメリカ、南アを振り切って2分57秒76で同国初の金メダルを獲得した。
アメリカと南アは同タイム(2分57秒83)で写真判定でアメリカが銀、南アは銅メダルを獲得した。

 ボツワナは400㍍でケビナシッピが金メダルを、ヌドリが銅メダルを獲得。記者会見で「リレー(1600㍍)で必ず金メダルを獲る。だからそれまではまだ喜ばないんだ」と、ジョークを交えてこの日の決勝に向けてチーム一丸となっていた。
 この日アップトラックでは、ボツワナチームが数人で民族音楽に合わせて踊りながら競技場へのバスに乗る光景も。レース直前のどしゃ降りにも、「寒いよぉ!」とばかりに4人で腕を抱える息の合ったダンスを見せてスタジアム中を明るく沸かせていた。
 昨年のパリ五輪では、テボゴが200㍍でボツワナ初の金メダルを獲得。アメリカとジャマイカの牙城を崩す金メダルに世界が衝撃を受けたばかり。今大会は400㍍で金、銅、1600㍍リレーで金とメダルランキングでも5位とトラックのリーダーとしての存在感を存分に示した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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