スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年8月27日 (水)

サッカー天皇杯準々決勝 町田が鹿島を0ー3でくだしてクラブ初のベスト4へ進出「タイトルをひとつ取ってクラブの歴史を進めたい」黒田監督

27日=町田GIONスタジアム(観客5965人、気温28.6度、湿度70%) 天皇杯準々決勝4試合が各地で行われ、FC町田ゼルビアは鹿島アントラーズをホームに迎え、立ち上がり15分、21分にセットプレーで2ゴールと痛烈な先制パンチを打ち込み鹿島を3-0で破って天皇杯クラブ初の4強に入った。
 タイトル奪還を狙って今季、鬼木達体制敷いた鹿島はルヴァン杯で敗退しており、天皇杯も失ったため8年連続で国内のカップ戦には届かず、唯一残るタイトルは現在2位に付けるリーグ戦のみとなった。
 5連戦の4試合目を戦う町田は、DF菊池流帆、DF岡村大八、DF望月ヘンリー海輝が欠場。長崎から移籍したMF増山朝陽が先発したほか、ドレシェヴィッチと中山雄太が昌子源との3バックを構成。コイントスで風下から入った鹿島は前半から強い向かい風と町田の猛攻を浴びた。
 前半15分、右CKから下田北斗のボールに増山が頭で飛び込み先制すると、21分には増山からのスローインが藤尾翔太に入り、藤尾はターンして左足でシュート、これが相手に当たって追加点を手にして試合展開を優位に進めた。
 2点が必要な鹿島が後半スタートからJ1得点ランキング首位のレオ・セアラ、MF松村優太、MF樋口雄太を投入し反撃に出ようとしたまさに出鼻に後半1分)中盤でMF下田が鹿島の樋口の縦パスをカットすると、そのまま自陣センターサークル内から左足で鹿島のGK早川の友基の頭上を約60mのロングシュートを放ち、これが決まって0-3と鹿島の逆襲を絶った。

  
 鬼木監督 自分自身大事にしていたタイトルだった。サポーターも来てくれたなかふがいない試合をしてしまい、なかなかない悔しい敗戦だ。(リスタートでの失点は)想定も練習もしていたところだったがあれだけ簡単に打たせれば・・・(試合後のロッカーでは)残されたタイトルに向おう、この悔しさを忘れてはいけない、と選手に伝えた。
 黒田監督 理想のリスタートからの2点が町田の追い風になった。(中山の起用で)ラインのアップに対し(3バック3人が)誠実さをもってやってくれた。後半、王者鹿島がねじを巻きなおしてくるだろうと警戒したところ、下田の素晴らしいシュートでダメを押し鹿島の心も折れてしまったかもしれません。今年は何かしらタイトルを必ず1つ取りたい、ひとつのタイトルでクラブの歴史をもうひとつ進めることができる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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