スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年7月31日 (木)

11月のデフリンピック日本選手団’旗手’はデフサッカーの松元卓巳と空手の小倉亮に 公式ユニホームも初めてオリ・パラとデザイン連携 井上康生、谷本歩実が激励コメント

 7月31日=東京都庁 11月、日本で初めて開催されるろう者スポーツの国際大会「東京2025デフリンピック」に出場する日本選手団の発表記者会見が行われ、参加選手が過去最多の273人が全21競技に出場すると発表された。選手を代表してサッカーのキャプテンを務める松元卓巳(35)、空手の小倉涼(25)の2人が旗手として団旗を受け取り(主将は設けない)。「覚悟と誇り、責任を持って、力を発揮しメダルを取れるように頑張りたい」と、手話で表現した。
 またこの日同時に、デフリンピック大会では初めて、JOC(日本オリンピック委員会)とJPC(日本パラスポーツ協会)が、デフリンピック日本選手団が着用する公式ユニフォームのデザイン面で連携することも発表。昨年のパリオリンピック・パラリンピックで日本選手団が(TEAM JAPAN)が着用したものと同じオフィシャルスポーツウェア、「TEAM JAPAN」のワードマーク入りのユニホームを着用する(デザイン、提供アシックス)。JOCの井上康生常務理事、JPCの強化本部長でもある谷本歩実両氏がデフリンピック代表を激励するコメントを発表したのも「連携」のひとつとなった。
 会見には、日本障がい者サッカー連盟・北澤豪会長が来賓として出席。「こうした節目のセレモニーは緊張感が漂ってとてもいい。選手たちのモチベーションになると思う」と話していた。
 団長を務める太田陽介委員長からは、スローガン「燃えろ!ALL JAPAN」も発表され、日本のスポーツ界、またスポーツファンにも新たな観戦法で楽しんでもらいたいとした。
 小倉も「私たちが活躍し、障害の有無にかかわらず誰もが生きやすい共生社会の実現につながるきっかけになればうれしい」と笑顔を見せた。
 デフリンピックは11月15~26日、東京都内を中心に静岡、サッカーは福島と、2県でも開催される。70~80の国と地域から選手約3000人が参加するため、TOKYOは、9月の世界陸上(13日開幕)と合わせ25年はメジャーな国際大会を2つで「スポーツ都市」としてのポテンシャルをも世界にアピールできるチャンスとなる。大会の競技観戦は全て無料で、事前の申し込みもいらないが、東京体育館で行われる開閉会式のみ、無料の入場チケットが必要となる(近日中に詳細が発表される)。
JOC発表コメント
■井上康生 JOC 常務理事(選手強化担当)
東京2025 デフリンピック日本選手団の皆さんへ、心よりエールを送ります。
皆さんが、私たちと想いを共にするスポーツウェアを身にまとい、自国開催となる東京2025 デフリンピックに臨まれることを誇りに思います。日々の努力と情熱、そして競技に挑む力強い姿は、きっと多くの人々に勇気と希望を届けてくれると信じています。皆さんのご健闘を心より楽しみにしております。
■谷本歩実 JPC 強化本部長 初の自国開催である東京2025 デフリンピックにおいて、日本選手団の公式ユニフォームが
JOC・JPC とデザイン面での初の連携が出来たことを大変嬉しく思います。パリ2024 オリンピック・パラリンピック競技大会に続き、デフリンピックのアスリート達も同じカラーのユニフォームを身に纏い、デフリンピック日本選手団として活躍することを祈念しています。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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