スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年4月 7日 (月)

ディフェンスとFWの二刀流「どちらでもスペシャリストになりたい」高橋はなが決めた同点PKの価値 ニールセン監督も今後の起用法に嬉しい悩み

 本来CBの高橋はながアディショナルタイムでPKを決め土壇場で追い付いたシーンは、3月のWEリーグ大宮対浦和のダービーマッチの続きにも見えた。3月15日、2点を奪った浦和が試合終了間際、18歳の藤﨑智子が獲得したPKで3-0と大宮を突き放した。この時、WEリーグ得点ランキングで3位(6点)とCBとFWの「二刀流」で結果を出している高橋は「本当は自分が(7点目を)蹴りたかったのでむちゃくちゃ悩みましたが、思い切り蹴って来い!と(藤﨑の)背中を押したんです」と笑顔を見せながら、浦和の次代を担う若手にあえてPKのチャンスを与えたと明かした。PKを若手にあえて渡した高橋の深いチームプレーへの姿勢がこの日、チームを敗戦から救うPKにもつながったのだろう。
 「(交代時に)残り時間がもう10分ほどしかなかったので、監督から、気持ちを強く持って、とにかくゴールに向かってほしい、とおっしゃっていただいたので、とにかくゴールに向かうしかないし、チャンスは来ると思った」とコロンビア戦後声を弾ませた。
 ニールセン監督も記者会見で「(日常生活での)キャラクターも素晴らしく、違いも作ってくれる選手。基本的にはCBで起用したいが、(この日のような決定力を考えると)今後の起用は何とも言えない」と、難しくも嬉しい悩みを口にしていた。
 高橋は「どちらでもスペシャリストになれるようにしたい」と、今後二刀流を続けたいとする。
 シービリーブス杯の3試合とも1度も先制されていなかったが、この日はビハインドにも諦めずに1点を追い、二刀流の高橋がPKをしっかり決めて同点にした。8日もコロンビアと練習試合を行い、今年の国際大会となる7月のE-1選手権(韓国)に向けて欧州遠征を経て選考を行う予定だ。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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