スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年11月30日 (土)

J1残留をかけた柏と優勝を狙う神戸が激突 4試合連続アディショナルタイム(AT)失点の柏「魔の時間帯」に勝ち点失い残留決められず AT 10分に神戸・武藤が執念の同点ゴール

30日=三協F柏(観衆1万3700人) 今季Jリーグ残り2試合で柏は残留を、天皇杯を制した神戸は優勝を狙う正反対のポジションでの激闘が展開され、最後は試合終了間際のVARでゴールが認められ神戸が1-1と執念の引き分けに持ち込んだ。 
 現在17位、4試合勝利がない柏だが神戸に勝てば自力で残留を決められる絶好のホーム最終戦に、試合開始から地力のある神戸の高さ、スピードに冷静に対処。一方首位・神戸は、引き分け以上で(2位広島と3位町田の結果次第で)今節に優勝が決まるが、11月にこれで6試合目という過密日でコンディションが不安視された。
 前半5分、最初のCK(左)からMF手塚康平がゴール前中央、高さのある木下康介に合わせ狙い通りヘディングで先制、前節に続き先制点を奪って天皇杯後の疲労からか動きが良くなかった神戸に対して主導権を握った。1点を先行したまま神戸のシュートもわずか2本に抑えて優位な展開で後半に入ったが、前半32分にジエゴが受けた警告が結果的に勝ち点2を逃がす伏線となってしまった。
 神戸はハーフタイムにDF初瀬亮とMF井出遥也に替えて、DF本多勇喜とFW佐々木大樹を交代、「自分たちらしくもっとアグレッシブな戦いを」と吉田監督の指示を背に後半のピッチに。
 柏は最初の交代にFW細谷真大を下げ、MF小屋松知哉を投入。小屋松は右サイドハーフ、MF山田雄士が左に入って2トップにサヴィオ置く布陣の変更で、小屋松は交代から3分後、サヴィオのパスからGKとの勝負で決定機を得たが追加点を奪えなかった。
 吉田孝行監督はここで追加点を奪えなかった柏に対し、流れを奪い返すように厚いメンバー層から交代カードを次々と切って強いプレッシャーをかける。71分には井手口陽介に代えて山口蛍、宮代大聖と汰木康也を交代。7分後にもDF山川哲史を広瀬陸斗に代えて、良い入りをしながら試合終了に向かってパワーが顕著に落ちてくる柏に攻勢をかけた。
 1点を守った柏だったが後半アディショナルタイム、主審はジエゴの武藤嘉紀へのファールでオンフィールドレビューを実施し、ジエゴにこの試合2枚目のイエロー(退場)、神戸はPKを獲得した。4試合連続でアディショナルタイムに失点している柏にとってまたも「魔の時間帯」となったが、キッカーは大迫勇也がゴール上に大きく外して一端は凌いだ。スタジアム中が安堵と歓喜で大きく湧いたがこれで残留決定にはならなかった。
 55分、武藤がゴール前で粘りのシュートを決めるが一度オフサイドの判定に。しかしまたもVARとなりゴールが認定される。柏はまたも「魔の時間帯」に神戸に追いつかれて引き分けとされ、次節の最終戦、アウェー札幌戦に残留をかける。神戸は、同じ時刻に行われた町田対神戸で3位町田が勝利し、優勝はホームでの最終戦へと持ち込まれた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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