スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年11月 1日 (金)

J1川崎対鹿島 川崎は2010年以来14年ぶりに鹿島に「シーズンダブル」を許し、鹿島は中後監督体制初勝利で3得点 

1日=Uvanceとどろきスタジアム(観衆2万834人)金曜日開催のJリーグが2試合行われ、ホームの川崎は、ポポビッチ監督と中後監督を交代、フロント陣も変えて残り試合での上昇にかける鹿島を迎えたが前半だけで3点を失う完敗で、シーズン中に同じ相手にホーム&アウェーで敗れる「シーズンダブル」を実に14年ぶりに許してしまった。

 前半10分、中後監督体制で2試合目の鹿島は右サイドから柴崎岳がクロスを入れ、中央で知念慶がヘディングシュート。中後監督初采配となった10月19日の福岡戦ではスコアレスドローで終わっており、中後監督指揮下で初勝利へ早い時間帯での「初ゴール」と、クラブアドバイザー・ジーコ氏の観戦もあって勢いに乗る。
 前半18分も安西幸輝が左サイドからの突破でクロスを上げ、これに樋口雄太がダイレクトで合わせて2-0に。さらに28分にはエリア右前に落ちたボールを三竿健斗が左足シュート。GKチョン・ソンリョンの逆を突いた形となって前半で早くも3点差となった。
 一方、4試合で公式戦の勝利を逸している川崎Fは3失点に加え脇坂泰斗が負傷で小林悠と交代する不運なアクシデントにも見舞われた。
3点差を守る鹿島は後半31分にFWの徳田誉、MFミロサヴリェヴィッチ、DFの津久井佳祐と3枚を代えてセーフティな展開に持ち込む。後半アディショナルタイム3分、川崎FはFKを獲得。これを山本悠樹が右足で1点は返したが1-3とこれで公式戦5戦未勝利となった。
 今季で退任を発表している鬼木達監督は17年に就任してから鹿島には負けなしと圧倒的な好相性だった。今年3月、アウェーの鹿島戦で逆転負け、この日はシーズンでの連敗し2010年以来の「シーズンダブル」を許すなど退任する年の不思議な巡り合わせとなった。
 1年に2度、クラブを視察するため来日しているジーコ・クラブアドバイザーは試合後、「試合とワンプレーに集中できるかが大事。何も諦めてはいけない」と話していた。鹿島は勝ち点を57とした(暫定4位)。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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