スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年10月19日 (土)

監督交代の鹿島、福岡に0-0 この日鹿島サポーターにもっとも大きな拍手を受けたのは福岡のウェリントン?!「冷静ではない時の自分のジェスチャーをきちんと謝るべきだと思った」試合後鹿島サポに謝罪したウェリントン

19日=県立カシマサッカースタジアム(1万8939人) Jリーグは各地で第34節を行い、日本代表の連戦で休止だった期間に今年監督になったポポビッチ監督との契約を解除してリスタートした5位の鹿島アントラーズは11位のアビスパ福岡を迎え、優勝争いに望みをつなぐ大事な一戦に臨んだ。中断前の新潟戦で4-0と勝利していた鹿島は、新潟戦での3バックを4バックに変更、鈴木優磨を左サイドに置いて攻撃の起点とした。
 前半33分、その鈴木から大きなチャンスが生まれる。左足でゴール前にクロスが入ると、これに師岡柊生がニアに飛び込んで頭で合わせたが福岡のGK永石拓海のセーブに阻まれる。40分にもFKから知念慶がゴール前でヘディングシュート。しかしこれも永石のファインセーブで前半は両チームとも無得点で折り返した。
 後半、徳田誉を投入して前線のターゲットにしたがチャンスをものにできず試合はそのままスコアレスドローで終了。再スタートを切った鹿島だったが、短期間での難しいジャッジの結論は見送られた。
 
 また、前半17分、鹿島が敵陣でFKを獲得し名古新太郎が浮き球のボールを供給した際、ゴール前で福岡のウェリントンと鹿島の関川郁万が競り合って頭をぶつけてしまった。ともにピッチに倒れ、ウェリントンの鼻を切って出血した。ウェリントンが主審に抗議しながらゴール裏の鹿島サポーターに向かって拳を振り上げ挑発行為をしたため、主審はウェリントンにイエローカードを出した。ヒートアップするなか、鈴木優磨がサポーターをジェスチャーでなだめるシーンもあった。
 しかし試合終了後、ウェリントンが1人でゴール裏の鹿島サポーターの席に走り、深々と頭を下げて謝罪、これに対し鹿島サポーターからも大きな拍手が湧く「フェアープレー」が繰り広げられた。
 ウェリントンは試合後、鼻の大きな絆創膏から血がにじませて、「サッカーは得点を取ったり取られたり、時にはケガをしたりさせてしまったりする(スポーツ)。きょうは鼻を切ってしまい、自分のジェスチャーが鹿島サポーターを挑発したように受け取られたとすれば、それは御互い冷静ではないときの行動。試合後、きちんとごめんなさい、というべきだと思ったので鹿島サポーターのもとへ行った。サッカーは(敵味方サポーター関係なく)ファミリーだから」と笑顔で話した。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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