女子サッカーなでしこリーグ 今季1部昇格の「ヴィアマテラス宮崎」が初優勝(12日)13日ホーム戦勝利で3千人の前で「優勝報告」 20年創部から最短V、観客動員もリーグトップと新たなけん引役に躍進
12日、アマチュア女子サッカーの最高峰に位置付けられる「なでしこリーグ1部」(プロはWEリーグ)第20節で、勝ち点41と2位につけていたニッパツ横浜FCシーガルズが静岡SSUボニータに敗れたため、翌週の1試合を残して勝ち点46だった首位ヴィアマテラス宮崎の初優勝が決まった。ここまで16勝1分4敗、得点55、失点24と他クラブを引き離した。
ヴィアマテラス宮崎は13日、ホーム「いちご宮崎新富サッカー場」で昨年の覇者オルカ鴨川FCを迎え優勝決定後にファンの前での「報告試合」に臨んだ。前半に永野桃子、キャプテンの嘉数飛鳥がゴールを奪い2-2で折り返すと、後半立ち上がり4分には、昨年なでしこリーグ2部で得点王とMVPをダブル受賞した齊藤夕眞が決めてリード(現在21得点でゴールランキング2位)。オルカの粘りに苦しみながら、板倉楓が4点目を奪ってオルカを引き離し勝ち点を49まで伸ばして3479人ものファンが詰めかけたスタジアムで優勝を分かちあった。
ヴィアマテラス宮崎は2020年に、宮崎市内から車で20数㌔の新富町をホームタウンとして創設されたクラブ。以降、地域リーグからなでしこリーグ2部、1部に昇格した今季とリーグ戦において、今季11試合目で伊賀FCに敗れるまでなでしこリーグ1部では13年に11連勝したINAC神戸以来の10連勝を達成し52試合無敗という大記録を打ち立てている。
クラブ創設から最速での快進撃で優勝を飾り、人口1万5000人ほどの地方の小さな町で選手が役場の「町おこし協力隊」の職員として活動し、農業などと連携するなど地域との関係性を築きあげた。こうした努力が観客動員数でも(前期集計時点で)成果を見せ、平均1603人とリーグトップを記録。サッカークラブが地方ととともに活性化をはかった好事例としても大きな功績を見せた。なでしこリーグ戦は20日が最終試合となる。
なでしこリーグ・髙田春奈理事長(WEリーグチェアは退任も兼任していたなでしこリーグ理事長は継続)のコメント
昨年、なでしこリーグ2部に参入後1年で優勝され、また今年、1部に昇格後すぐの2年連続優勝という偉業は、女子サッカーの歴史においても稀にみる快挙だと感じます。選手、スタッフの皆様のたゆまぬ努力と、自治体やパートナー企業をはじめとする地域全体の応援、サポート、あらゆる力が結集しての結果に心からの感謝と敬意を表し、関わる全ての皆様に心からお慶び申し上げます。シーズン後半、苦戦する場面もありましたが、それだけなでしこリーグ1部のすべてのクラブの粘りと意気込みがあったからこそでしょう。最後まで全クラブが全力を出し切り、関わる一人ひとりの皆様にとって悔いのないシーズンになればと思います。


