スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年9月25日 (水)

Jリーグ来シーズンの開幕は2月14日と過去最速に 理事会で99年から続いた契約制度を見直し新人の年俸の上限を約2倍の1200万円に引き上げ 「Jリーグを目指す子どもたちから選んでもらえるように」野々村チェアマン

24日=Jリーグ(都内) Jリーグは理事会を開き、野々村芳和チェアマンが25年シーズンのリーグ戦開幕節の日程が来年2月14~16日に決定したと明かした。今季のリーグ戦は2月23日(金)に開幕したが、来年は2月14日(金)で史上最速の開幕となる。神戸、川崎、横浜FMの3クラブがアジア・チャンピオンズリーグ・エリートに出場している点とリーグ開幕の1週間前に行われる富士フイルム・スーパー杯の日程(未発表)を考慮した日程。
 またJリーグの新人選手の年俸の上限をこれまでの670万円から約2倍の 1200万円に引き上げると決めた。26年シーズンからの導入となる。Jリーグは1999年に現行の年俸を制定、今回は初の大幅な見直しの初めての実施となる。高校、大学生の中にはJリーグに加入せずに直接、海外のクラブと契約する選手が増えており、選手会からも年俸、改善を求める声はかねてよりあった。
 ルーキーイヤーの年俸の上限を1200万円に引き上げると同時に、加入時の支度金も一律で500万円と上がる。今後、新人の年俸の上限は撤廃する方向で検討していくという。これらのベースに加え、出場給、勝利給など含め総額は最高で2000万円になる見通し。
 選手の最低年俸は、J1では480万円、J2は360万円、J3は240万円と定めた。自身も1995年にJリーグに加入した(当時ジェフユナイテッド市原、現・千葉)野々村芳和チェアマンは会見で「プロABC契約がスタートして25年、自分がJリーグに入った当時と大きく環境が変わっている。海外のクラブとの差も大きく、現行のルールは(安定したクラブ経営という基盤を築くために定められたもので)一定の役割を終えたと思っている。国内外の選手や、サッカー選手を目指す子どもたちから、選んでもらえる存在となり続けられるよう、様々な制度改革・環境整備を進める」と話した。年俸の引きあげによって、Jリーグのっ世界的な競争力も向上すると期待される。
 現在、米MLSのロサンゼルス・ギャラクシーでプレーする選手会の会長の吉田麻也(36)は「すべての選手を代表して深く感謝を申し上げる。今回の改定は、世界トップレベルのリーグ、クラブ、選手を目指す今後の日本サッカーにとって、とても大きなことだ」とコメントを寄せた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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