スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年9月22日 (日)

Jリーグ31節 広島が横浜Fマリノス下し首位奪還 町田19位札幌との痛いドローで首位陥落も28日広島と直接対決へ「このリーグの一番大きいゲームになってくる。気持ちをひとつにまとめて広島に」黒田監督

21日=Gスタ J1第31節が行われ、前節首位を奪い返したFC町田ゼルビアが、タフな残留争いの渦中にいる19位の北海道コンサドーレ札幌をホーム・町田GIONスタジアムに迎えた。前節の福岡戦で3-0と勝利し、首位に再び返り咲いた町田は札幌に痛い引き分けで、2位のサンフレッチェ広島が22日、ホームで横浜Fマリノスに6対2で大勝し首位が代わった。

 21日の町田戦では日本代表DF中山雄太(27=町田)が福岡戦で右膝内側側副靱帯を負傷して試合欠場。9月の26年W杯アジア最終予選で選出されたGK谷晃生(23)は先発、DF望月ヘンリー海輝(23)はベンチからとなり、この試合は森保一監督も視察に訪れた。
 先に失点はしたくない札幌は堅守で臨み、町田が主導権を握る。前半7分、MF藤本一輝がペナルティエリア左を抜け出し、ゴール前に横パスを通したが、FW中島裕希には合わなかった。同9分にも、カウンターからFWオ・セフン、MFナ・サンホのパス交換からゴール前に侵入するも、このシュートも枠を外れた。
 続く15分、18分とチャンスを作ったが、 この日は決定力を欠きスコアレスドローで後半へ。
 町田は後半、中島に代わってパリ五輪日本代表FWの藤尾翔太を投入。札幌は後半6分、前半途中に負傷していた宮澤に代わり、右膝前十字靱帯損傷などの大ケガによる長期離脱を経て、今月のルヴァン杯で復帰したばかりのMF深井一希を入れて、1年ぶりのリーグ戦復帰を果たしたばかりの深井のエネルギーで突破口を開こうと託す。
町田が攻撃し、札幌が守るという展開でシュートもお互い7本(町田)と5本と互角となり、ともに決定力の課題を残して試合は終了。リーグ戦の残りは7試合となり、優勝争い、降格のかかる下位戦線もデッドヒートが続く。
 この試合では、2026年W杯アジア最終予選の9月シリーズ(中国戦、バーレーン戦)に招集された町田のGK谷晃生(23)は先発出場し、DF望月ヘンリー海輝(23)はベンチスタート、DF中山雄太(27)は右ひざを負傷してベンチ外だった。
 スコアレスのドローに試合後、森保監督は「1試合の重みを感じる。緊張感のあるいい試合だった」と総括し、中山の負傷は「大切な選手がけがでいなくなるのは戦力的に痛い。復帰に向けていい回復ができるように願っている」とした。また過去最多12選手が出場してスタートした欧州チャンピオンズリーグ(CL)について20歳のDFチェイス・アンリ(シュツットガルト)のプレーを「1試合、1試合で(成長して)変っていく若い選手の成長速度は速い。継続してみているので(代表の)戦力になるのを期待しているし、野心をもっと持って欲しい」と、チェイス・アンリに限らず代表に選出される可能性のある若手の奮起を促すメッセージを送った。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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