100年の掟を破って実施にこぎつけたはずのセーヌ川での水泳 水質基準を下回り30日の男子トライアスロン31日に延期に
パリ30日(パリ組織委員会、ワールドトライアスロン発表) この日行われる予定だった男子トライアスロンを前に、パリ2024組織委員会と世界トライアスロンの代表者、メディカルスタッフ、IOC(国際オリンピック委員会)、フランスの気象庁、パリ市関係者、水質検査を実施してきたイル・ド・フランス県が30日午前3時30分に会議を開いた。水泳が実施されるセーヌ川の水質を検討した結果、午前8時にスタート予定だった男子トライアスロンの延期が急きょ決定された。ワールドトライアスロンは、26、27日にパリ市内に降った大雨が原因とし「水質のレベルに改善が見られるものの、いくつかの地点では現時点も許容可能な値を超えている」との声明を発表。31日の競技開始前に改めて水質検査を行う。
これに伴い日本トライスロン連合は「選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、一丸となって本番まで最大限のサポートをする」とコメントを発表した。
セーヌ川は下水道の配置が集中する構造上、降雨のたびに大腸菌の値が大幅に変化するとされ、100年以上前から遊泳禁止となっていた。しかし、五輪の開催に伴い、トライアスロンのスイムでパリを象徴させようと「セーヌ川で泳ぐな」と100年以上続く掟を破って実施が決定。準備期間で14億ユーロ(約2350億円)にものぼるとされる浄水プロジェクトが行われてきたが、五輪開幕まで1カ月に迫ってからも大腸菌の検出値が許容水準を上回る日が多く、28,29日の公式練習も中止されていた。


