「連敗は絶対にしない。もし連敗したら崖から転がり落ちるように・・・」黒田監督の’崖っぷちマネージメント’で町田がFC東京を2-1で下して首位奪還 昌子主将1年ぶりのフル出場でチームをけん引
21日=味スタ(観衆30811人) J1リーグは各地で第9節が行われ、前節(13日)国立競技場で昨年の覇者・神戸に1-2で敗れた首位を明け渡した町田が、同じ東京に本拠地を置くFC東京と対戦、同点にされたが2-1でFC東京を突き放して勝ち点3を積み上げた。今節を首位で迎えたC大阪が名古屋に敗れたため(1-2)勝ち点19とした町田がわずか1週間で首位に返り咲いた。
前節から先発5人を入れ替えて臨んだ町田は前半13分、左CKからMF仙頭啓矢が高いクロスをファーサイドに送ると、ナ・サンホがグラウンドすれすれの強烈なボレーシュートをゴール左隅に決め、古巣相手に今季初ゴールを奪って先制した。 その後、FC東京にハンドでPKを与え同点とされたが、25分にはDFドレシェヴィッチが右サイドからロングフィードでゴールに向かって蹴り込み、これに身長192センチと大型の右サイド、望月ヘンリー海輝が右で長い距離を走って、ゴールラインギリギリでクロス。オ・セフンがそのボールに低いダイビングヘッドで押し込んで4試合ぶりの得点を勝ち越しゴールとして、この1点で逃げ切った。望月はプロ初アシストをマークした。
町田は後半攻め込まれ厳しい時間帯が長かったが、今季、ケガで戦列復帰ができなかった昌子源がキャプテンとしても、守備の要としてもチームをまとめてけん引。昨年7節の柏戦以来のフル出場を果たしてチームに再び勢いをもたらした。
試合後、町田の黒田監督は「絶対に連敗はしない。(連敗したら)崖から転げ落ちるように、気が付いたら10位とか(2桁順位に)になる。それは去年から選手にずっと言っている」と、昨年の覇者に敗れても1週間でリカバーをする強さの理由を説明。「首位なのに崖っぷち感」を常にチームに浸透させるユニークなマネージメントが、Jリーグ新入生の強みを最大限引き出している。鹿島で勝利のメンタリティーを知り尽くした昌子でも監督の「崖っぷちマネージメント」に敬意を表し、「(試合前のメンバー表を見ても試合経験が少ない)自分たち新参者が、戦う、走るができずに神戸に負けた。だからもう一回それをやろう、とみんなに話した」と、こちらも「首位なのにまるで降格圏内の危機感たっぷり」をチームに浸透させているようだった。
次節27日はアウェーで磐田と対戦する。昌子は、磐田に今季加入したGK川島永嗣とのフランスリーグ以来となる対面を楽しみにしていると笑顔を見せた。