日本代表152試合、J1672試合と最多出場 オシム監督に「チームの心臓」と称された遠藤保仁が引退、今春G大阪コーチ就任のダブル発表「記者会見で真面目に話すのも僕らしくない」と、自然体ヤット流貫く
9日、国際Aマッチ出場152試合と歴代最多記録を持つ磐田の遠藤保仁(43)が現役引退を発表すると同時に、今季、G大阪のトップチームのコーチに就任するとダブル発表した。J1歴代最多の672試合と、数々の記録を打ち立てた希代のMFが、98年、鹿実から横浜F(当時)、京都、G大阪、10年から磐田とJリーグ一本で築いた26年間の選手としてのキャリアに終止符を打った。
昨年は磐田で10月の清水戦に途中出場したのが最後のプレーに。遠藤はこの日公開した動画で「本来は記者会見など開かないといけないと思っていたが、記者会見して真面目に語るのも僕らしくないかな、というところもあり、何といってもオフはオフなんでとことんオフを満喫したいので記者会見を開きませんでした」と、笑顔を見せて、華やかな引退会見も、コーチ就任会見も行わない理由を説明した。今後、磐田でも、G大阪でも取材対応の予定はないという。
多くの監督と仕事をするなかで、どの監督からも、広い視野、正確な技術、何よりもクレバーなサッカー観で全幅の信頼を得てきた。中でも、オシム監督は遠藤を「チームの心臓」と称し、「(遠藤は)野生の動物のように、チャンスとピンチを瞬時にかぎ分ける」とも表現した。ピッチにもチャンスにもひょうひょうとプレーをした自然体のスタイル通り、会見も行わずサラリと26年を締めたのも「らしい」ものだった。
動画の中で、家族への感謝を心から口にした際、「きょうだい」と、長男の拓也さん、二男で横浜Mで活躍、アトランタ五輪でブラジルを破った「マイアミの奇跡」で10番を背負った彰弘さんと2人の兄を加えたのは印象的だ。
日本サッカー界において「黄金世代」と呼ばれてきた選手たちは本山雅志(22年に引退表明)、小野伸二、高原直泰は23年に、それぞれ引退。しかしこれだけ長く、豊かなキャリアが生んだ実りが、今度はどんな形で花を咲かせるかが楽しみな、そんな引退発表となった。
遠藤のコメント
「ガンバ大阪サポーターの皆さま 2024シーズンよりガンバ大阪トップチームのコーチに就任することになりました。私のキャリアの中でも多くの月日を過ごしたクラブで、また戦うことが出来ることを大変嬉しく思います。指導者としては勉強の身なので、紆余曲折あると思いますが、選手達と共に成長し、チームの勝利に貢献していきたいです。その中で、私が選手時代に感じたことなど、選手にとってプラスになる要素があれば伝えていきたいと考えております。今後とも宜しくお願い申し上げます」


