スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年12月31日 (日)

「初夢には日本代表がW杯で優勝する夢を正夢に」初の元日代表戦タイ戦に向け森保監督会見 FWに細谷、トップ下に伊藤涼太郎、ボランチ佐野と新しいメンバーが先発の予定

 31日=東京・国立競技場 1日、史上初めて元旦の代表戦に臨む日本代表は競技場で公式練習に臨んだ。タイは世界ランキング113位、日本は同17位で1月に行われ3大会ぶりの王座奪還を目指すアジア杯(カタール)に向けての強化試合になる。森保監督は会見で「アジアカップ優勝、そしてW杯につながる試合にしたい。元日に試合ができるのはサッカーに携わる者として幸せ」とした。一方、対するタイ代表の監督は元鹿島アントラーズ監督の石井正忠氏で手の内は互いに知っているだけに「全てをさらけ出し状態で試合をする。我々にとって難しい試合になる」と表情を引き締めた。

 12月30日、千葉県内で行われた練習ではビブスをつけなかった代表キャリアはまだ多くない選手たちが先発する可能性があるように見えた。この日練習に先だって行われた会見で森保一監督は、「大体(先発が)分かるという練習は昨日お見せしたので(誰を起用するか)予想はして頂けるかと思います」と、ユーモアたっぷりにコメント。あくまで30日の練習時点ではあるが、GK前川薫也、DFは左から森下龍矢、町田浩樹、藤井陽也、右サイド毎熊晟也、ボランチは左に田中碧、右に佐野海舟、トップ下が伊藤涼太郎、右に伊東純也、左に奥抜侃志、トップに細谷真大と、若く、フレッシュな顔ぶれだ。先だって行われた公式会見で監督は「元日に試合ができるのはサッカーに携わる者として幸せ(代表経験のない)新しい選手たちにチャレンジしてもらい、日本代表としての幅を広げていきたい。選手たちには何よりも思い切り、自分の武器を出して、チームメートも活かしてアグレッシブに戦って欲しい」と、新年の勢いを掴む新顔たちに大きな期待を寄せる。
 監督は、毎年元日を初詣でスタートするという。会見で「どんな初夢を見たいですか?」と聞くと、「もちろんW杯で日本が優勝する夢を見たいと思いますし、正夢にできるように自分ができることを、選手、スタッフとともに積み上げていきたい」と、笑顔のなかにもどこか鋭い視線を向けていた。


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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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