ヴェルディ黄金時代を築いた北澤豪氏「(自分にとって)子どもたち世代が昇格を叶えてくれた。東京3クラブで首都圏型の理念も再検討する時」
16年ぶりの昇格を決めたヴェルディOBで黄金時代(当時川崎)を支えた北澤豪氏(55=日本サッカー協会理事)が、試合後取材に対応し、「(自分にとって)子どもたちの世代がこうして昇格を叶えてくれた。世代がつながるものだと、(感慨深く)思って観ていました。本当にうれしいしサッカーを楽しんでやったから目標を達成できた」と、アカデミー(育成)から上がった若い選手たちの踏ん張り、ヴェルディ伝統のサッカーの楽しみを追求する姿勢を称えた。そして清水についても「あそこで足が出てしまう(PKになるプレー)というのが、これだけの観衆を前にしたこの試合の本当に難しいところだと思う」と思いやった。
この日の観衆5万3264人は、J2同士の対戦でリーグ戦、昇格、参入プレーオフ全てを含めて最多を記録。ヴェルディのオールドファンも、市民クラブとして立ち上がった清水の長年のファンも久しぶりにサッカー観戦に足を運んだ。北澤氏はこうした現象を「歴史は積み重ねが大事。Jリーグに首都圏(東京)のクラブが3つ入ることで、これまでのJリーグの(功績でもある理念)地方創生から首都圏型の理念をもう一度考えてもいい時期かもしれない」と、30周年の次の意義も提案した。自身の出身地・町田とヴェルディの「ダービー」実現に「どうやって(ダービーを)見ようかな、って今から考えます」と、うれしい悩みに心からの笑顔を見せていた。