サッカー U-22(パリ五輪を目指す代表)日本代表が国内初試合で強豪アルゼンチンを5-2で下す。鈴木唯人が同点、勝ち越しゴール で存在感
18日=静岡IAIスタジアム 24年パリ五輪の出場権がかかる「AFC U23アジアカップカタール2024」(来年4月15日~5月3日、出場枠3)を目指すU-22日本代表は初めて国内での強化試合に臨み、同じく南米予選を控えるU-22アルゼンチン代表と対戦した。佐藤恵允 (ブレーメン=ドイツ)、鈴木唯人(ブレンビー=デンマーク)ら海外組に、このほどアジアサッカー連盟の年間最優秀ユース賞を受賞した松木玖生(FC東京)らJリーガーがスタメンを構成、発足以来、海外での遠征、強化試合をこなしてきた五輪代表が「国内デビュー」に臨んだ。
日本は前半、日本平に吹いた強い北風にむかって試合をスタート、追い風を掴んで力をかけてくるアルゼンチンに対して高い位置からのプレスでボールを奪ってゴールを目指すが、アルゼンチンのフィジカルの強さと高い技術に手こずった。苦しい中、ていねいなビルドアップで前線に道を開き、18分、松木が佐藤へと強い縦パスを送ると、佐藤はエリア外からドリブルで中央付近に切り込んで右足で低い弾道のシュートを放った。これが右隅に決まり、日本が先制に成功した。しかし、4分後には、松木がボールを奪われソラリに決められた同点に。前半終了間際には先制点を奪った佐藤が膝を負傷。戦術的な交代ではない時間と状況で一枚の交代カードが切る結果となり、ここで松村優太が入った。
1-1で前半を折り返した日本は「運動量を考えて」(大岩監督)松木を山本理仁(シント・トロイデン=ベルギー)に代えるなどフレッシュな状態での後半を生もうとする。しかし立ち上がり5分、バングーナガンデ佳史扶のファールでアルゼンチンにFKが与えられるろ、エリア手前中央からティアゴ・アルマダ(アトランタ・ユナイテッド=MLS)が直接FKを決めて1-2にされてしまった。
1点のビハインドを追う展開となった日本は思うように攻撃が展開できなくなった。しかし右サイドの半田陸(G大阪)からパスを受けた鈴木は21分、エリア手前から力強く左足を振り抜くこれがゴール右隅に決まって2―2の同点に。同点で流れを掴んだ日本は、反対に集中力が切れてしまったアルゼンチンに球際でも激しく当たり、30分、再び鈴木がゴール。逆転に成功して、その後、松村優太(36分)、交代で入った福田師王(43分)と追加点が奪って、アルゼンチンを5-2で下した。
試合後、大岩監督は勝負のポイントとなった後半への入り方について「善戦からの守備は我々の生命線。疲労でアクション(動き)が鈍っているところを交代し、相手からどこでどのようにボールを奪うか、(相手の)利き足なども踏まえて選手に(交代と意図の)メッセージを送った」話し、アルゼンチンに勝ち越された後、同点、逆転、追加点を奪った試合展開を評価した。
一方、ビルドアップ中に優位にあるなかでボールを失い、失点となったシーンなど、来年の最終予選まで合同でできる練習時間の少なさから「目に見える形で改善していかなくてはならない」と、強豪相手の5得点勝利にも厳しい表情をのぞかせた。


