Jリーグ30節 首位神戸、攻守のハードワークで鹿島に3-1で勝利し、リーグ初Vへ前進 鹿島はリーグVの可能性消滅で7季連続無冠が決定
21日=国立競技場(観衆5万3444人)Jリーグ優勝争いをリードする首位・神戸(勝ち点58)が国立競技場でホームを開催し、勝ち点47と11点を何とか詰めて優勝戦線に留まろうという4位の鹿島を5万3444人の大観衆の前で破ってリーグ初優勝に向かって勢いをつけた。開始直後の5分、神戸は最初のCKを獲得。たて続けにCKを奪うなど、鹿島DFラインを深い位置で揺さぶった。鹿島に立て直しの時間を与えぬ前半16分、MFの井出遥也が左サイドで左足のクロスを入れると、ゴール前に走り込んだ佐々木大樹がヘディングでゴール。先制点を奪って主導権を握った。さらに、前半終了間際の45分、MF山口蛍が左サイドに大きく展開すると、これをFW武藤嘉紀がクロスとして、1点目をアシストした井出が頭で決めて2-0と差を広げて前半を折り返した。神戸は攻守でのハードワークが徹底され、鹿島はシュートを1本も打てずに前半を終えた。
鹿島の岩政監督は後半頭に、交代カード3枚を一気に切って流れを取り戻そうとするが、16分、神戸がこれを断ち切る。左CKから一度クリアされたボ―ルを酒井高徳がペナルティエリア前の中央から右足で豪快なシュートを放ち、大迫がこのボ―ルにかすかに触れてコースを変えてゴール。VARでオフサイドの判定を受けてダメ押しの3点目にはならなかったが、ダイナミックなプレーで主導権を譲らず、反対に鹿島はこれを反撃のチャンスにできなかった。
後半38分には、右CKを扇原貴宏がニアサイドへ、Jパトリッキがヘディングシュートを放つとこれが左のポストに当たり、佐々木の前に跳ね返った。佐々木は右足でこの日2ゴール目を奪って神戸は3点で鹿島を突き放し3連勝とし、初優勝へ大きく前進した。
一方鹿島は終了間際に松村優太が1点を返したが、神戸のシュート18本に対してわずか6本(後半のみ)、CKも3本(神戸8本)と内容で圧倒され、勝ち点差は14と広がりリーグ戦逆転優勝の可能性も消えてしまった。これで、今季も無冠に終わり7季連続でタイトルなしに終わった。
クラブアドバイザーのジーコ氏が来日して後半戦を初めて観戦していたが「とても残念。仕方がない、と言いたくないが・・・」と、表情を曇らせていた。