スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年9月10日 (日)

サッカー日本代表 アウェーのドイツ戦に4-1で圧勝、伊東、上田、浅野、田中のゴールでカタールW杯に続き2連勝「選手が難しい戦術変更にトライしてくれた」森保監督

 9日=ドイツ・フォルフスブルグアレーナ(観衆24980人)気温20度、湿度45% 
 昨年のカタールW杯以来の対戦となったドイツ(FIFAランキング15位)との親善試合が行われ、日本代表(同20位)が、冨安の起点から右サイドのダイナミックな攻撃で11分に伊東純也が先制ゴール、同点にされたが22分、上田綺世の逆転ゴールを守って2-1で折り返した。
 日本代表は試合開始から4-2-3-1のシステムで入り、守備では4-4-2のブロックを敷いてコンパクトなサッカーを展開。前半の終盤では6月シリーズでものにした4-1-4-1を敷き、さらに後半に入ると前半枚数の足りずに突破された左サイドで、三笘をサネにマンマーク的に付けて4バック+1の形でドイツのチャンスを封じた。その後は谷口を鎌田に代えて後ろ5枚で凌ぐなど、森保監督が前日会見で「ドイツが可変するところに対して柔軟に(日本も)可変できるようにしたい」と話した通り、攻撃、守備両方で状況に対応、修正する試合運びをドイツを相手にやり切った。後半代わった久保は90分、体を最後まで寄せて相手ボールを奪う強い守備から自分でドイツを十分引き付けて浅野へアシスト。浅野が3点目を奪った後、久保がまた左足でゴール前へ、アディショナルタイム2分にも田中がヘディングでゴールを決めて4-1とドイツを圧倒した。これで通算成績は日本の2勝1分け1敗、W杯優勝国に連勝を果たした。
 森保監督は試合後の会見で「4-2-3-1で入ったが(攻撃を組み立てる)ビルドアップでは4バックにするとか、相手がやりたいことを受け止める部分と、相手が嫌がることをやっていくことと、選手たちが難しい戦術変更の中でも賢く、ドイツを相手にもトライしてくれた」と手応えを口にした。日本代表は11日フォルフスブルグで練習を行って次戦「キリンチャレンジ」が行われるベルギー・ゲンクでのトルコ戦に臨む。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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