スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年8月 2日 (水)

W杯なでしこジャパン 決勝Tノルウェー戦に向けて練習「高さのあるノルウェーに対して、自分たちがセットプレーを決めたい」3戦先発の清水梨紗 セットプレーを身長170㌢以上が12人対3人(日本)のカギに

2日ニュージーランドクライストチャーチ 天候晴れ(午後には雹=ひょう)、気温8度 サッカー
 W杯1次リーグを3戦全勝(11得点無失点)で突破し、決勝トーナメントに進出した「なでしこジャパン」は、1日の移動とオフ明けのこの日、午前11時(日本時間午前8時)から5日のノルウェー戦(午後8時キックオフ、ウエリントン)に向かって練習をスタートさせた。南極から吹くという冷たい風のなか、ビルドアップ(攻撃を組みたてる)で前線の選手がいったん下がってボールをさばく形を確認するなど、スペイン戦で4-0と大勝した勢いと流れを感じさせる練習だった。
 DFでここまで3試合に先発した清水梨紗は軽めの練習をした後、ノルウェーの前線に技術の高い選手が揃っている(170㌢以上が12人)点と、高さのあるセットプレーを警戒すると分析。「(ノルウェーのような高さを持つ国とは)毎回、セットプレーが強みの国に失点した、という思いを味わっている。この試合は、自分たちがセットプレーでゴールしたい」と、ここまでゴールにはなっていないが、カードの多さはうかがわせるセ
ットプレーをトーナメント勝ち上がりのポイントに据えた。またノックアウトステージではPK戦も予想される。選手は「PKは池田監督になって力を入れてきた部分」と、トレーニングでも行っていたとする。昨年のカタールW杯ではクロアチアにPKで敗れた際、PKの順番を選手間で決めたが、女子は、監督が決定している。

 練習後に、04年アテネ五輪出場の際に名付けられた「なでしこジャパン」として中盤で活躍した宮本ともみコーチ(44)が大会中初めて取材に対応した。宮本コーチはそのセットプレーで攻撃を担当。「日本が何かをやってくる、と思わせるのも大事」と、日本代表のセットプレーほかどの年代のものでも積極的に取り入れていると話す。自身99年から3大会連続でW杯に出場している(3大会とも予選敗退)。コーチとして経験するW杯について「選手時代と立場が全く違っているので比べられない。あおば(藤野今大会1ゴール)、まいか(大会前に肩を負傷するも2日は練習参加)たち若い選手が堂々とプレーしている。私が初めて出場した(99年アメリカ大会)時は緊張してどんなプレーをしたかも覚えていないくらい。頼もしいです」と笑った。
 今大会では、池田監督と選手間のつなぎ役となり、セットプレーでは攻撃を担当。守備陣との連携をはかり、ベンチでは池田監督に対し気付いた点はすぐに指摘し、選手交代についても提案するなど、宮本の現役時代、なでしこジャパンに欠かせなかった強力な「ボランチ」役を発揮している。 
 かつて女子サッカーの存続のために、「全員がここで負けると女子サッカーが終わってしまう」といった使命感でプレーをした。しかし今は「皆(サッカー界全体)で一体感を持ってやっている。選手がプレッシャーを感じることはない」と、選手がのびのびプレーできるよう環境もマネージメントも整えているという。

 なでしこジャパンは3日の練習を最後に、クライストチャーチのキャンプ地を離れる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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