スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年8月20日 (日)

女子W杯決勝スペインがイングランドを1-0で下して初V 5カ国目の優勝国に なでしこジャパン宮澤ひなたが5得点で11年澤穂希さん以来の得点王に「皆さんと共にいただいた賞」とコメント

女子サッカーW杯2023オーストラリア・ニュージーランド大会決勝がシドニーで行われ、ともに初優勝を狙うスペインとイングランドが対戦し、スペインが1-0でイングランドに完封で初優勝を果たした。9大会目となった女子W杯で日本、アメリカ、ドイツ、ノルウェーに続き5カ国目の優勝国に輝いた。スペインは前半29分、オルガ・カルモナがゴール右隅を狙うシュートで先制。この1点を守り切って、22年欧州チャンピオンのイングランドをW杯初の決勝で振り切った。スペインは昨年、今大会前、ビルダ監督に対し主力選手15人が指導方法を巡って抗議。選手側が監督の交代を求めたがスペイン連盟は監督を支持したため、今大会には主力選手の多くが出場していないという異例の事態で臨んでいた。国内でも国際的にも下馬評は低かった。1次リーグで突破を決めた3試合目に、同じく突破を決めていた日本と対戦しカウンター攻撃の前に0-4と完敗したが、これが選手間の団結を強め、さらに日本と準決勝で再戦して勝利を収めると高いモチベーションを与えるきっかけになったという。
 スペイン戦で2得点をあげた女子日本代表「なでしこジャパン」宮澤ひなた(23=仙台)は、8強で敗退したものの5戦で5得点をあげて「ゴールデンブーツ」(得点王)を獲得。2011年ドイツ大会で優勝した際の澤穂希さん(5点)以来の快挙となった。9月23日には国際親善試合・アルゼンチン戦(北九州)が行われ、日本のファンを前にプレーを披露するチャンスが待っている。
宮澤ひなた選手が日本サッカー協会を通じてコメントを発表した。
ゴールデンブーツを受賞でき、素直に嬉しく思います。なでしこジャパンの選手として初めて出場したワールドカップでこのような記録を残せたことは、一緒に戦ったチームメイトはもちろん、これまで指導してくださったコーチの皆さん、サポートしてくださった皆さんのおかげです。そういった方々と共にいただいた賞だと思っています。
一方で、より勝負のかかった場面、試合で重要なプレーができるようにならなければいけないと感じた大会でもありました。これから続く戦いではチームを勝利に導くプレーを見せられるよう、そのうえでまたこういった賞をいただけるように、努力を重ねていきます。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」