スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2023年8月27日 (日)

JリーグFC東京対神戸 後半アディショナルタイム18分で3点が入る激しい展開も2-2のドローに 大迫は19得点目 

26日=国立競技場(4万8634人)気温29・6度、湿度67% 
Jリーグ25節が行われ、夏休み最後の週末を楽しむ親子連れなど約4万8000人が足を運び、昨年から3戦全勝のFC東京と首位グループを走る神戸の試合は18分ものアディショナルタイムに計3点が入る激しい試合展開で2-2となった。
前半18分、FC東京は神戸GK前川薫也の不用意なパスをFW仲川輝人が奪って、そのままエリア内のディエゴ・オリヴェイラへ。右足で前節に続くゴールで先制した。神戸もチャンスを何度も生み出したがゴールはならず、FC東京が1点をリードして後半へと入った。
20分には、VARで神戸の本多勇喜のハンドと判定され、FC東京・松木玖生 
がPKを蹴ったがこれは前川に止められ追加点を奪えなかった。後半43分、今度はFC東京のファールでVARが入り神戸にPKが与えられる。FW大迫勇也がこのPKを決めて自身得点ランキング1位を走る19得点目、試合はアディショナルタイム2分(AT)で振り出しに戻った。VARが入ったことでアディショナルタイムが13分と表示される。AT10分には交代で入ったFC東京のMFアダイウトンが前線で強いフィジカルを活かしたゴールを奪ってFC東京が勝ち越したかに見えた。場内も、激しい試合にホーム東京のサポーターからも大きな歓声が起きる。しかしAT14分には神戸の大迫がヘディングでMF山口蛍にパスを落とすと、これを山口がボレーシュートでゴールとして再び追い付かれて引き分けに終わった。ATは18分を超えて終了したが、「アディショナル」ではなく延長戦の長さとなった。長友は試合後、前節もロスタイムで失点した反省点をあげ、「これが実力だが、これを改善していかないと」と悔しさをにじませた。
 一方神戸も首位グループを走りながら2失点とも自分たちの決定的なミスから奪われたもの。この日、横浜Fマリノスが横浜FCに敗れたため勝ち点50で止まり、神戸は貴重な勝ち点1でその差1点差にしたが、今後、天皇杯も続く過密日程のなか、優勝を狙うための課題が残った。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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