スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年10月29日 (土)

Jリーグ優勝争いは最終節へ 横浜Fマリノスは4-1で浦和に完勝 川崎は2-1で神戸を振り切って最終節優勝に望みをつなぐ

29日=日産スタジアム(観衆4万6387人) J1リーグ今季は、この日の33節を含めて残り2試合、勝ち点62で首位の横浜Fマリノスは今季ホーム最終戦で3年ぶりの優勝を狙った。これを追う勝ち点60で2位の川崎が引き分け以下の場合、優勝が決まる試合で、横浜は前半から高い位置での守備で効果的に8位の浦和のボールを奪った。
 直近2試合では、降格ラインを争うG大阪、磐田に無得点での2連敗を喫し、優勝決定も2度逸する嫌な流れの横浜だったが、天皇杯、ルヴァン杯を挟んだ2週間で立て直し、ここ5試合ゴールのないFW・Aロペス、4試合無得点のエウベルに、速い縦パスを入れて攻撃的なサッカーを展開。17分には、水沼がロングパスから右サイドを突破しシュートを放つ。DFにブロックされたが、エウベルがゴール前でこぼれ球に反応してシュート。これが先制となってリズムを加速した。
 37分には、右CKを逆サイドで受けたエウベルがペナルティエリアを切り込みシュート。GKが弾いたボールにAロペスが飛び込んで2-0と優勝へ一歩前進して前半を折り返した。
 前半、浦和のDF・酒井が警告を受けてしまい、DFラインが消極的でボールウォッチャーになりがちなウイークポイントを、横浜は後半も攻め続ける。
 後半12分、DF4人が固めるエリア内だったが、身体を張った守備ができない浦和をエウベルが楽々と突破し、トゥキックで3点目を奪取。川崎はこの時点で神戸と同点で、横浜がカップを手繰り寄せた。
 後半20分にも、右CKからAロペスがニアにヘディングで飛び込んで4点目を奪い、ここで優勝は確実かと思われたが、川崎が神戸に2-1と勝ち越し、優勝争いはまた振り出しに戻った。
 しかし4,5試合ゴールのなかった前線の2人の大活躍で横浜は今季ホーム最終戦を4-1と完勝で連敗脱出。最後の大勝負となる最終節、5日のアウェー、神戸戦に臨む。川崎も、アウェーの味スタでFC東京と対戦する。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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