Jリーグの日にJ公式戦初の「信州ダービー」長野最多観客を野々村チェアマン観戦 「指揮官で幸せ」長野・シュタルフ悠紀リヒャルト監督 「(担架を運ぶ少年たちに)お前たちもここでサッカーしたいだろ?オレもだよ!」松本・名波監督 両監督も大感激
15日=長野Uスタジアム(観衆13,244人) J3第9節が行われ、長野のホーム史上最多となる1万3244人ものサポーターが生み出した素晴らしい雰囲気に包まれたスタジアムで、Jリーグ公式戦初の「信州ダービー」が新たな歴史を踏み出した。ホーム長野、松本とも得点は決められずスコアレスドローの引き分けに。松本は勝ち点1を守って18とし4位、長野は勝ち点15で5位となった。5月15日は、1993年、当時ヴェルディ川崎と横浜マリノスがJリーグ開幕戦に臨んだ「Jリーグの日」。野々村芳和チェアマンは、この日1400から行われた富山対YS横浜(富山5―1)の視察をして、長野に駆けつけ試合を観戦。試合後「Jリーグの日に、(当時はなかったJ3で)こんな素晴らしい試合を観戦できて本当に嬉しかった。両チームの皆さんに感謝とお祝いをお伝えしたい」と、感激した様子で話した。
ホームの長野・シュタルフ悠紀リヒャルト監督は試合後、「J3で観たことのない景色を実現してくれた関係者を称賛し、その指揮官をさせて頂いたことは本当に幸せに思う」とコメント。アウェーの名波監督も、試合への総評を話す前に、ダービーを準備した両クラブの運営、サポーター、メディアにも「素晴らしい雰囲気を作り出してくれた。本当に感動的なゲームの入りで、試合中、担架を運ぶ子供たちに’お前たちもここでサッカーやりたいだろう?、オレもやりたいほどうらやましいよ!」と、雑談したエピソードを明かした。同監督は、元祖と言われる静岡、C大阪でも大阪ダービーも、プレ―ヤ―として経験しており、「選手には、ダービーには色々(な歴史や因縁が)あるもの。(ブラジル人の)パウリーニョには、これはブラジル対アルゼンチンと同じ、(スペイン人の)ビクトルには、この試合はスペイン対ポルトガルだ、と選手たちに話して臨んだ」と、Jリーグ開幕時は順大3年で、そこから29年、松本で指導者としてダービーの歴史に携われた巡り合わせに感慨深そうだった。
両監督は会見前の通路ですれ違った際「いい試合をありがとうございました。これからもこのダービーをいい試合にしましょう。強い福島勢(2位福島、3位いわきが長野勢より)が上にいますがリーグも一緒に頑張って・・」と、グータッチで言葉を交わしていた。