Jリーグに新「ダービーマッチ」誕生 J3福島対いわき戦、新記録の4501人が観戦「福島のダービーはここから作られていく」福島・服部監督 「福島が一体となった」いわき・村主監督
4日=福島とうほうみんなのスタジアム 1993年に5月に始まったJリーグに、新たな「ダービーマッチ」が誕生した。J3第8節が行われ、J3で今季負けなしの勝ち点15と、好調の2位・福島と、今季からの参入ながら勝ち点14で3位につけるいわきによる「ふくしまダービー」が初めてリーグ戦で行われ、後半34分、CKからいわきの有田稜(ありた・りょう)のヘディングで先制点を奪ったいわきがそのまま1-0で勝ち、リーグ戦ダービーマッチ初勝利をあげた。この日は、初のダービーへ福島全体をあげてのアピールが効果を見せ、4501人の観客がスタジアムに足を運び、福島FCの試合では新記録となった。
試合には、内堀県知事、福島市・木幡浩市長、いわき市・内田広之市長が揃い、震災から地元への貢献を掲げて活動を続ける両チームを祝福した。
いわきの村主博正監督は「(このダービーに向かって)モチベーション高く臨める雰囲気を作って頂いた。どちらかのチーム、というよりも福島が一体となったようなスタジアムの雰囲気だった。みんなでサッカーの試合を共有できて、やっていて、こういう場を作って頂いて感謝しかない」と感激した様子で振り返った。
また8節目で、今季初の敗戦を喫した福島の服部年宏監督は、「ここでもう一度、自分たちが主導権を握るやりたいサッカーを確認したい」と、コロナ感染者8人が離脱中の苦しい台所での敗戦を前向きに受け止めた。また、自身が「日本のサッカー元祖ダービー」といえる静岡ダービーで激しい戦いを経験してきただけに、「予想以上に多くの方々が入って下さった。ただこれが1回目。福島のダービーはこれから作られて行くだろうし、ある県ではダービーのたびに、すごくもめていたし(静岡を振り返って笑いながら)、(今後)激しいものになるのか、さらっと積み重なっていくのかこれからになる」と、新しい「スイッチ」や競争というモチベーションが選手、クラブに誕生した日に手応えを感じていた。15日はJリーグの日で、震災の苦しい状況から地元への貢献を掲げてサッカークラブの活動を続け誕生したダービーは、30年目のリーグにとって貴重な財産をもたらしてくれるはずだ。