スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2022年2月28日 (月)

カズが新加入のJFL鈴鹿が、ガバナンス体制の不備で、Jリーグが百年構想クラブ資格停止処分に

28日=オンライン Jリーグは理事会で、日本フットボールリーグ(JFL)の「鈴鹿ポイントゲッターズ」について、準加盟に当たる「百年構想クラブ」資格を停止することを決めた。JFLの規律委員会による調査で、不適切な金銭のやりとりなど懲罰の対象となる行為が発覚したため。ガバナンス体制など状況が改善されれば、処分は解除される可能性がある。
 今季、期限付き移籍でカズ=三浦知良(55)を獲得し、世界的にも注目を集めるレジェンドと、その兄が(三浦泰年氏)監督を務め、J3に上がろうという前向きな話題にピッチ外で水を浴びせる結果となってしまった。最終の処分は日本サッカー協会が決定する。
 「鈴鹿ポイントゲッターズ」は昨年12月、元執行役員がクラブ内部で行われていた不正行為をSNSで暴露。一部選手の不正事案に関してツイートし、クラブ幹部を批判していた。この執行役員は、5000万円の支払いと代表取締役の辞任を求め、要求が認められない場合は不正を全て公表すると迫ったとされ、クラブは2500万円の支払いを行うなど混乱していた。
 告発を調査したJFL規律委員会は、クラブが懲罰の対象となりうる「適切ではない」金銭のやり取りなど、ガバナンス体制に不備があると判断。これを受けたJリーグは、Jリーグ百年構想クラブ規程第7条第1項第1号に定める「Jリーグの目的に反する行為」とした。22年6月のJ3ライセンス申請期限までに(1)ガバナンス体制の改善(2)ステークホルダーからの支援継続の2点が整えば、資格停止が解除されJ3申請は可能となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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