スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年11月21日 (日)

J2最下位松本 ホームでの先制点守れず1-1の引き分け9戦勝ちなしで、し烈を凌ぐ壮絶な残り180分へ

21日=松本・サンアル(観客7811人) J2リーグ第40節が各地で行われ、最下位22位の松本山雅は先制しながらレノファ山口に追いつかれ1-1で引き分けた。直近8試合未勝利で、今シーズン途中から就任した名波浩監督の就任後3勝4分13敗という苦しい展開の松本は、この試合に負ければJ3降格圏の19位以下が確定する(J3からの昇格2クラブにJ2以上のライセンスを持たない宮崎が加わると、降格は3クラブになる可能性があるため降格確定ではない)崖っぷちで、勝ってJ2残留を決めたい山口を迎えた。
 前半は山口のサイドに、高い位置で決定的なクロスなどあげられないDFを徹底。リズムをしっかり作って、チャンスを生み出した。無得点のまま後半へ。
29分、後半途中出場したMF・安東輝がドリブルで右サイドを崩しゴールライン際まで突破すると、マイナスからグラウンダーのクロスをゴール前に送る。これにセルジーニョが右足ワンタッチで合わせて先制ゴールとした。セルジーニョは今夏の松本復帰後の初ゴール。しかし試合の最終局面で踏みとどまれず、41分には山口の効果的なセットプレーで守備陣形を徐々に崩され、最後は渡部博文に同点に追いつかれた。試合はそのまま終了し、松本は勝ち点33で最下位のまま、次節はアウェーで相模原、最終節はホームで長崎と死闘が待ち構える。
 一方で、残留圏内にいる17位の大宮が水戸に1-3で敗れ、18位の金沢も栃木に0-1で敗れたため、松本と残留圏(勝ち点34)の差は勝ち点4に縮まった。
 また降格では、19位の北九州が千葉に0-2で敗れ(勝ち点35)20位に、20位だった相模原が21位・愛媛との直接対決に2-1で勝利して18位へジャンプする降格圏脱出(勝ち点37)をした。1試合ごとに勝ち点、順位が入れ替わり、残り2試合で結果が分からない。し烈、ではなく、壮絶な最終節になる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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