スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年5月21日 (金)

緊急事態宣言下でも「五輪は開催する。(なぜか?)選手のために、IOCは選手が夢を叶える場を提供するからだ」IOCコーツ調整委員長会見で発言

21日=都内 東京五輪・パラリンピックの準備状況についてIOC(国際オリンピック委員会)との調整委員会が3日間の日程を終え、IOC側はジョン・コーツ調整委員長とクリストフ・デュビ五輪統括部長、組織委員会は橋本聖子会長と武藤敏郎事務総長が会見に臨んだ。質疑応答で、コーツ委員長は「緊急事態宣言が発出された中でも開催するか」と聞かれ、「イエスだ」と断言した。現在の宣言下でも、複数のテスト大会を都内でも実施した点を根拠とした。コーツ氏は、国内での反対が多数を占める状況を把握したうえで、「(東京五輪は)非常に希有な大会になった。延期も、疫病がこうして世界中で流行した過去もなかったからだ。そして、その中で、なぜやるのか?というなら、理由はアスリートのために開催する、それに尽きる。ほとんどの選手にとって一生に1度しかチャンスはなく、既に延期で夢を奪われた人もいる。1番大切なのは、日本国民を守ること、アスリートにチャンスを与えることだ。IOCはそのための場を提供する」と強い口調で答えた。19日の冒頭では、バッハ会長が予定になかった冒頭あいさつに出席し、ファイザー社から提供を受けるワクチンの接種は、選手村に入村する75%、最終的には8割を超える人が接種を終えるとし、コーツ氏は「さらに検査、検査が重要になる」とした。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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