Jリーグ村井チェアマン 「お客様を迎えても危険はない、と伝える力があれば・・・」無観客試合に無念さにじませる
27日=オンライン Jリーグの村井満チェアマンが、理事会後にオンラインで会見に臨んだ。新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言発令により、28日のルヴァンカップから対象地域で無観客開催を余儀なくされることを受け、「お客さまを迎えても危険ではない、と社会に伝える力が私にもっとあれば、ストーリーは変わったかもしれない」と、リモートマッチへの無念さを口にした。Jリーグは、昨年のコロナ渦に他の競技団体に先駆けてNPB、専門家と連携し、詳細なガイドラインを作成したうえで1042試合を実施。クラスターも起こしておらず、試合では二酸化炭素の濃度測定をして、試合後の分散退出を促すよう、科学的な数値でのアプローチも積極的に行って来た。それだけに、緊急事態宣言、即無観客の判断には無念さが募るとした。
5月には、クラブ決算が公表されるが、先だって鹿島や浦和などビッグクラブでも赤字決算が報告されるなど、コロナ禍でのクラブ経営は厳しい状態が続いている。今回、緊急事態宣言の発令から実行までがわずか2日と短期間だったために、試合の運営に関わる警備や、飲食を提供するキッチンカーの手配などで「ドタキャン」をせざるを得なかったクラブも少なくない。今後、リーグとして今回の無観客開催による補償を国などに求めていく方針も固めた。
また2020年に実施されたホームタウン活動調査によると、コロナ禍に見舞われた苦しい1年にもかかわらず、年間合計15,772回の活動が実施され、そのうち企業・行政などと協同して行う「シャレン!」活動は914回だった。多くのクラブが感染防止にオンラインを用いた地域密着活動にシフトしたものの、「ドライブインパブリックビューイング」(名古屋グランパス)、「病院へのキッチンカーデリバリー」(栃木SC)、「エア遠征プラン」(金沢)など、工夫を凝らした活動も多かった。村井チェアマンは「5月15日のサッカーの日に合わせ、(Jリーグが生んだ社会、地域との連携を実現する)シャレンアウォーズが実施される。Jリーグの100年構想は、サステナビリティそのもので、SDGsを叶えるもの。サッカーの日にこれらをメッセージに発信したい」と、28年となる開幕日を位置付けた。