スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年3月13日 (土)

Jリーグ横浜FC雷雨強風の中声援したファンに勝利届けられず開幕4連敗 C大阪大久保が今季5点目、J1通算190Gに

13日=ニッパツ(2857人、大雨と雷雨で2時間遅れ) J1・4節が各地で行われ、開幕3連敗でホーム初勝利を狙う横浜FCと、中2日の強行日程のC大阪の対戦は、試合前、大雨強風警報が出されたためにキックオフが14時から16時と2時間も遅れて始まった。試合開始後も激しい雨のなか引き上げることなく、ずぶ濡れになって声援した約3000人のファンに、ホームで初勝利を送りたかった横浜FCは、8人とメンバーを大幅に入れ替え、対照的にC大阪は清水戦からメンバーを変えずスタート。前半は、2時間の延期で雨がたまったピッチコンディション、また強風で両チームとも思ったようにボールを動かせなかった。
 25分、横浜FCゴール前で、高いボールが強風でGKの目測より押し戻されてしまうような形に。そこにC大阪FW・豊川雄太がキーパーの位置を見た冷静なバックヘッドを決めて先制した。
 後半に入ると、齋藤功佑を下げて安永玲央を投入し4-3-3に変更した横浜FCがセカンドボールを拾う回数を増やし攻勢をかける。10分にはジャーメイン良がシュート、これがDFにあたってゴールとなり1-1の同点にした。
 しかし5分後、今季4得点と開幕から絶好調の大久保嘉人が、右サイドの松田陸からが深い位置からクロスを供給すると、点で合わせるかのように鋭い飛び込みでヘディング。今季5点目、J1通算190点目となるゴールで2-1と突き放した。その後も、C大阪はピッチコンディションの悪いなかでも高い技術を見せる清武弘嗣を中心に攻撃を展開し、42分には加藤陸次樹、アディショナルタイムには高木俊幸と追加点を奪い、先制しながら2度の逆転負けを喫している課題にも結果を出した。
 一方横浜は、4戦連続で前半に失点し厳しい試合展開に自ら追い込む形を変えられず開幕から4連敗となった。
 横浜FC・下平監督 「後味が悪い試合」 前半ピッチコンディションが悪く、お互いにやりたいサッカーができなかったなか、先に失点したのは痛かった。後半から少し人とシステムを変えて、お互いに長いボールが増えていたので、セカンドボールを拾いやすいシステムに変え、得点につながったが、その後すぐ(5分後)失点し選手たちが気落ちした感じになったのがすごく残念。結果的には3点差という後味の悪いというか、そういう試合になってしまった。
 C大阪・クルピ監督 「課題の答えはもう少し後」 4点を取って勝てたということは、選手たちのパフォーマンスは称えられてしかるべき。ただ今日の試合に限らず、どの試合にも良い時間帯もあればリズムの悪い時間帯もある。あらためて試合を振り返ってから修正すべき点は今後、改善していく。(逆転負けの課題は)。正直、まだ(克服できた、とは)お答えはできない。ここから数試合を重ねる中で、そういったところが改善されているか初めて分かると思うので、そのときに答えたい。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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