東京オリンピック・パラリンピック 来日前の陰性証明、参加中の行動制限を定めた競技団体向けルールブック公表 違反には参加資格はく奪も
3日=オンライン IOC(国際オリンピック委員会)、東京オリンピック組織委員会は、東京五輪大会の参加者のために新型コロナウイルス感染防止策の指針となる「プレーブック」(ルールブック)のうち、IF(各競技の国際連盟)向けの内容をオンラインで公表した。大会参加の手引書となるもので、このルールに繰り返し違反したり、悪質な違反を行った場合については大会への参加資格はく奪もある、厳しい姿勢で臨むという。
プレーブックはIOC、国際パラリンピック委員会(IPC)、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が国内外の専門家の意見を反映して作成。従来の方針通り、来日前にPCR検査などの陰性証明取得を義務づけるほか、各競技団体で新型コロナウイルスに担当する責任者を置くよう求めてている。選手や関係者がマスク着用などの感染防止策を確実に実行しているかどうかもチェックもする。健康状態の報告、行動記録、検温で37・5度以上を2度記録した場合は、競技会場への入場を禁じるなど細かく規定する。日本国内での公共交通機関の利用は原則として禁止し、観光も認めない。レストランの利用も不可とした。IOCはすでに、試合前の選手村での滞在は来日から5日、試合後も2日と、滞在日数にも厳しい制限を設けており、9日、選手向けに発表される「プレーブック」では、選手村での過ごし方や原則4日に1度とするPCR検査の間隔のルールも記される。
ワクチンについても、従来の方針と同様、その有効性は認める一方で、接種については各国異なるルールのもとに行われており、五輪参加の要件とはしない方針も明記した。今回は「初版」としており、内容は感染状況の推移を見ながら4月、6月をめどに改訂し、必要に応じて修正を重ねる。会見に出席した記者会見した組織委員会、中村英正ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO)は「コロナ禍で世界中が変わった以上、オリンピック・パラリンピックもそれに応じて変えていく必要がある」と話した。
会見では、IOCのジョン・コーツ調整委員長が、観客は「外国の観客はいないかもしれない」と地元オーストラリアのテレビ局の取材に答えた件について、IOC本部のスイス・ローザンヌからリモートで参加したクリストフ・デュビ五輪統括部長が「観客の皆さんは世界全体から一時期に集まってもらうのが本来の五輪ですが、安全な大会は譲れない。最終決定はしていないが、春には何らかの決定をしたい。観客の人数、各スタジアムの規模、海外からの観客について春には決定する必要があると思うが、もう少し検討の時間が欲しい」と答えた。