スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年2月24日 (水)

スポーツ界のアカデミー賞「ローレウス世界スポーツ賞2021」に、大坂なおみ、桃田賢斗がノミネート「スポーツは世界を変える力を持つ」とコメント

24日 世界のスポーツシーンにおいて最も優れた功績を残した個人や団体を称える、『ローレウス世界スポーツ賞2021』の各部門ノミネートが発表され、日本からはプロテニスで、先の全豪で2度目の優勝を果たした大坂なおみが「年間最優秀女子選手部門」で、また、様々な困難を乗り越えて再び第一線にカムバックを果たした選手に贈られる「年間最優秀復活選手部門」には、バドミントンの桃田賢斗が選出された。同賞は今年で22回目となり、スポーツ界のアカデミー賞とも称される。このほか「年間最優秀男子選手部門」「年間最優秀チーム部門」「年間最優秀成長選手賞」が設定されており、世界1000人ものジャーナリストの投票と選考委員によって選出される権威ある賞。最終決定は5月となる。

 大坂は「世界中のメディアの皆様によってローレウス賞に再び選出して頂き、光栄に思っています。ローレウスはコートやピッチ上で行われるスポーツの結果だけでなく、スポーツを通じた活動がいかに世界中の若者の助けになるのかという面も含め、大局的な評価を重視しているので、この賞にノミネートされるというのは私にとって特別なことです。現代は、スポーツは色々な方法で大きな変化をもたらすことができ、世界を変える力を持った時代であると思っています」と、長文でのコメントを寄せた。20 年 9 月に自身二度目となる全米オープンで23 歳でグランドスラム 3 勝目を手にした実績に加え、大会中に起きた、「Black Lives Matter」運動にも積極的に取り組み、コートの内外で強い発信を行った点に世界中のメディアの評価が集まった。
 同部門には、昨年のロンドンマラソン優勝のブリジット・コスゲイ(ケニア)、「なでしこジャパン」キャプテンの熊谷紗希が決勝ゴールをあげて昨年欧州CL5連覇の快挙を果たした「オリンピック・リヨン」から、キャプテンのワンディ・ルナールら6人がノミネートされている。
 
桃田は、20 1 月のマレーシアマスターズ優勝の翌日、車で空港へ移動する際、車両が交通事故に遭い重傷を負った。また新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界大会が 相次いで中止になり、昨年末 に行われた全日本選手権まで競技復帰に長い時間を要した。 全日本で準々決勝以外ストレート勝ちで優勝で飾った活躍が評価された。桃田同様に、がんを克服し Xゲームのスノーボードで二つの金メダルを手にしたカナダのマックス・パロット、出産からわずか 184 日後にロンドンの「トッテナム」の試合に復帰してみせたサッカースターアレックス・モーガン(米国)ら6人が候補となった。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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