スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2021年1月13日 (水)

ゴンちゃん磐田に12年ぶりに復帰 J3沼津退団「現役のトレーニングをひとまずやめて・・・」鈴木監督のもとトップチームコーチに就任

13日 J2ジュビロ磐田は、J3沼津で現役を続けてきた中山雅史(53)がトップチームのコーチに就任すると発表した。昨季まで選手として6シーズン在籍していたJ3沼津を退団。札幌を退団した際と同じく、今回も現役引退は明言せず「トレーニングはひとまずやめて」と、古巣からの熱望を受けてコーチに就任する。磐田は昨季、遠藤保仁の加入など後半追い上げてJ26位。クラブの黄金期を知るレジェンドが目標のJ1復帰に向けて、12年ぶりの復帰を果たす。すでにS級ライセンスは取得済み(昨年3月)。昨季監督としてカムバックした鈴木政一監督(65)とは、02年、選手と監督として完全優勝を成し遂げた気心の知れた関係で、鈴木監督から熱心な勧誘を受けた点も、電撃復帰につながった。中山は「J1昇格に向けて、鈴木監督を全力でサポートしていきます。よろしくお願いいたします!!」と、エクスクラメーションマーク2つに思いが込められているかのようだ。鈴木監督、磐田からのオファーを光栄だと話しているという。 
沼津を通じては「現役選手のトレーニングをひとまずやめて、ジュビロ磐田のコーチとして活動することに決めました」とコメント。磐田から移籍し札幌を退団した12年には「第一線を退く」と、15年に当時JFLだった沼津に加入。沼津では、下部組織(U-18)で2年間コーチも務めてきた。週5日も、高校生を直接指導した経験もあり、居残りに付き合いアドバイスをするなど「自分にとっても学ぶことばかりだった」と教えることへの充実感を得ており、鈴木監督もコーチとしての手腕にラブコールを出したという。中山は札幌退団時には「Jリーグを休むので‘休J’と呼んでください」と話していた。ひとまず現役としてのトレーニングを休む「休T」とでもしておこうか。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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