スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年8月29日 (土)

J1浦和 神戸戦の敗戦活かし3分で2ゴールの逆転勝利 大分を下し勝ち点23に  

29日=埼玉スタジアム(観衆4316人) J113節が行われ、前節、神戸に振り切られた浦和はホームに14位の大分を迎えた。前半9分、ここまで得点力が上がってこない大分が、左サイドの展開から最後は三平和司が右足でゴール、待望の先制点を奪った。23日に行われた前節の神戸戦でも、前半先制され前半のうちに同点にしたものの、最後に振り切られている。この試合の課題を活かし、先制点を奪われた後冷静に試合を運んだ。30分、右サイドから橋岡がゴール前に送ったボールに、レオナルドが強烈なヘディングシュートを放って同点に。その勢いと、同点にされた大分DFの動揺を見透かすように、山中亮輔のFKに橋岡大樹がヘディングでコースをそらしてゴール。3分で一気に逆転し、大分を引き離しにかかった。  
 一方大分は、浦和を大きく上回るシュート18本を打ち(浦和10本)攻撃の好リズムを作りながら決めきれなかった。片野坂監督は「先制点を取った。追いつくことも、勝ち切ることもできるチャンスを作ったが、そこで決めきれなかった。悔しい2失点だったが、やはり(浦和のような)トップレベルでは(ゴールは)許してくれないレベル。これだけチャンスを作って勝てなかったのは悔しい」と話した。浦和は勝ち点を23とし上位に。この試合でJ350試合出場を果たした槙野智章は「負けた試合(神戸戦)に収穫があったのは凄く良かった。前節最後に逆転負けしたのを考えると、きょうも(先制点を奪われた展開が)似ていたが、レオナルド選手、橋岡選手が素晴らしいゴールを決めてくれた。(先制点後の皆の表情が)ダゾーンに映っているか分からないけれど・・・」と、その後も冷静にゲームを進め一気に逆転したチームのメンタルに、手ごたえを感じているようだった。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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