スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年5月28日 (木)

陸上短距離の飯塚翔太「ただいま!とウチに帰ってきたみたい」約1か月半ぶりトラックでの練習再開喜ぶ

28日=都内 男子短距離でリオデジャネイロ五輪400㍍リレー銀メダリストの飯塚翔太(28=ミズノ)が、この日から利用が許可されたナショナルトレーニングセンター(通称NTC、東京都北区)で約1カ月半ぶりにトラックでスパイクを履いての練習を行った。練習後、オンラインでの取材に応じ「(トラックに入った瞬間)、家に帰ってきた感じでただいま!と思えた。子どもが初めてプールに入った時のような(興奮した)感じだった」と、陸上選手だが、なぜか水泳に例えるユーモアで心からの喜びを表現した。NTCがまだコーチなどを伴う本格的な練習を認めていない段階のため、100メートル走5本、筋力トレーニングと約1時間半程度の練習に抑え、何よりも新型コロナウイルスへの感染防止に、練習前には体温と体調チェックのほか、屋外とはいえ、私語禁止、距離を取ってのトレーニングとコロナと共存しなくてはならない新しい様式も受け入れた。
 一方で感染の不安を払拭してトレーニングに専念し、来年に延期されたオリンピックを目指さなくてはならないため「普段、ドーピング検査を定期的にも受けているのと同じ感覚で、可能な範囲で、選手もPCRなど、どういう方法でもいいので(感染の有無を)検査を定期的に行って本当に自分たちが大丈夫か知りたい」と話していた。今後の試合の日程、スケジュールは未定だが、10月1日から新潟で予定される日本選手権(6月から延期になっている)を今年のピークとして見据えるという。
 ケガ以外でこれほど長く練習できなかった経験はなく、植物を育てたり、料理をするためのキッチングッズを購入するなど外出自粛の時間を過ごしたという。「家の中で自分の体重を用いてトレーニングをし、時には外を走った。オンラインでできるものを多くあると気が付いた。これからも活かしたい」と、収穫も口にした。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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