スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2020年1月24日 (金)

本田圭佑オーナーの市民型クラブ「One Tokyo」100人のトライアウト 視察した本田が求めた4つの資質とは ボタフォゴ移籍は「イエス、ノーは言えない

24日=都内 本田圭佑(33)が立ち上げたクラブチーム「One Tokyo」のトライアウトが行われ、総応募530人の中から選考された110人のうち100人が参加、30分1本の紅白戦をほぼ半日かけて実施した。トライアウトと面談で25人から30人に絞って、本拠地を東京都中央区築地に置き、東京都社会人リーグ4部からのスタートする。オーナーに就任した本田も視察に訪れ取材に応じた。
 本田は「東京で以前からクラブをつくりたいなという思いがあって、あるクラブを買収しようと動いたこともあったがなかなかタイミングが合わず、やはりゼロから作るのが一番いいと。海外では(金持ちのオーナーが)娯楽としてやっているイメージだが、僕が権力を発揮して何かすることはない、とここで断言しておきます」と、クラブの形態についてあくまでもファンの参加型である点を強調した。今季はクラブで選手選考を行うが、来季以降、ファンに選んでもらいたいと意向を示した。
 選手の選考基準について、「定性か定量か、評価は違う」とした上で、定性では、①ファンに応援してもらえるような感動を与えられる選手 ②ひたむきさ、③自分を律する精神的な強さ、④勝つための経験、と4点を上げ、技術面となる定量では、FWならシュート5本以上を打てるか、サイドはどれだけいいクロスを上げ、パスを出しているか、ビデオでのチェックをしたうえで数値化して評価する。定性、定量から基準を示すのが、カンボジアでの監督、ビジネス、起業家と様々な顔を持つ「職業、チャレンジャー」(本田)としての「らしさ」だろう。
 また、ブラジルの名門、ボタフォゴが、エージェントである実兄にコンタクトを取った事実は認めたが「欧州でプレーをしたい希望をもっている。もちろんボタフォゴが偉大なクラブのひとつであることはわかっているし、うれしく思うが、(現時点で)イエス、ノーは言えない」とブラジル移籍については明言を避けた。

 

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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