スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2011年10月12日 (水)

「たたくなら、僕をたたいて???」=岡崎、プライドをかけたマゾ宣言 中村、駒野、ハーフナー・マイク、遠藤 コメント

 〇・・・2ゴールを奪った岡崎は取材ゾーンで、香川の話を振られ「真司がゴールを取っていないとか言われるけれど、点を取らないとたたかれるのは自分のほう。俺が点を取らなかったら、たたいてほしい」と、エースストライカーの矜持を見せた。

 これで代表では24ゴールと、中村俊輔と並ぶ歴代6位につけることになった。ドイツでも、代表でも「点取り屋」として、ゴールを取れなければ「どんどんたたいてほしい」との覚悟がにじみ出る。この日は、FWに、李とはまた違ったアクセントをもたらしてくれるハーフナーも「デビュー」し、攻撃のオプションも増えた。「俺は生粋のストライカー」と3度言った。

 「0が、1になって本当にうれしい」=65試合目で代表初ゴールの駒野 60試合以上もかかったので、みんなに突っ込まれましたけれど・・・チャンスがあった中で長くかかってしまったが、これまでずっと「0」と表示されていた代表ゴールが、「1」になるのはとてもうれしい。(ハーフナーへの2アシストは)高いターゲットを狙っていった通りのゴール。これからも武器になると思う。若い選手が選ばれて、自分も強い刺激を受けている。リーグ戦でもシュートを意識して積極的にいく。

 「君が代を聞きながら、鳥肌が・・・」=こちらは代表戦3試合目にして初ゴールのハーフナー・マイク うれしいけれど、こういう試合展開になっちゃうとねえ、でもやっぱりうれしい。昨日、スタメンと言われていたが、きょう国歌を聞きながら鳥肌が立った。(駒野からのボールは)練習からやっていた形でどんどんいいボールが入ってくるので自分は合わせるだけでした。ホッとしています。使ってくれたことに感謝しているし、クラブでもいい動きを持続させて、これからも代表で貢献できる選手になりたい。

 「本田みたいにゴツゴツいけないけれど」=3アシストを含め8点中7点に絡んだ中村 自分が(トップ下に)入ると、こういうスタイルになる。彼みたいに(本田)フィジカルを活かしてゴツゴツいけないので、早いパスワークで、という形になるが、それを活かせたのはよかった。きょうは真司(香川)も、マイクもしっかり点を取ろうという気持ちが入っていた。香川はこれで、またひとつタフになれたんじゃないか。

 「シンプル こそ、勝利」=ベトナム戦には出場しなかった分、存在感を見せた遠藤 相手が引いてしまい、力の差があると、どうしてもボールを持っていろいろやってしまうところがあるものだ。試合の入り方として、そこに一番注意を払って、とにかくシンプルにシンプルにボールをはたいて動かして、パスは縦の早いパスを出していくことを心がけた。シンプルこそ最良の試合運びだと、自分は思っているから。ベトナム戦では、リズムやテンポが出てこないことがミスにつながったので、序盤にいいリズムを作れればあとは心配なかった。最後まで目の前の状況にベストを尽くすのが、日本人の性格で、チームのスタイルだ。

[ 前のページ ] [ 次のページ ]

このページの先頭へ

スポーツを読み、語り、楽しむサイト THE STADIUM

増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

最新記事

カテゴリー

スペシャルインタビュー「ロンドンで咲く-なでしこたちの挑戦」