スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2011年6月19日 (日)

「サッカー五輪予選 日本代表3-1でクウェートに先勝」23日にアウェーで再戦 監督コメント

 サッカーのロンドン五輪予選、Uー22日本代表対U-22クウェート戦は、GK権田修一(FC東京) DF酒井宏樹(柏)、比嘉祐介(流経大)、浜田水輝(浦和)、鈴木大輔(新潟)、MF山本康裕(磐田)、山村和也(流経大)、東慶吾(大宮)、清武弘嗣(C大阪)、FW山崎亮平(磐田)、大迫勇也(鹿島)の先発でスタートした。

 17日の練習で左足首をひねった永井は、ベンチからのスタートとなった。

 日本は前半、4-2-3-1の布陣で試合に入った。2月の中東遠征では0-3で敗れた相手で、しかも今大会のルールでアウェーのゴールは2倍とされるだけに守備からしっかりと入ることが勝ち抜くための第一歩に。狙い通り前半15分は0点で終わること。

 直後の18分、日本はモードを変えて前線に積極的にボールを運ぶ。比嘉が左サイドで粘ってマイナスからクロスをあげると、このボールにFW大迫飛んで相手DFをひきつたところ、中央でフリーになった清武がダイビングヘッドでゴールを奪って、念願の先制点を奪った。このゴールで自信を持ったのか、ボール支配率でも圧倒し、37分、日本右からのCKで、ファーサイドを狙った清武のキックに、浜田がディフェンスに体をはったヘディングでゴール右に。前半2点を奪って折り返した。日本のキープ率も6割を越え、シュートは12本、クウェートはわずか1本と圧倒して後半に入った。

 両チームともメンバー交代はなく、シフトも同じでクウェートは、4-5-1。16分には、中央でパスを受けた山崎が、相手DFをひきつけて、ここに走り込んだ大迫にパス。永井と先発を代わった大迫が右足で冷静に決めてゴール。3点目を奪って、クウェートを引き離した。

 しかし後半22分、日本右サイド、酒井宏がボールを奪われ、クロスをあげられてしまう。このクリアボールが、フリーのJ・ムタイリの前に流れ、ゴールを決められてしまって、アウェーゴールを許してしまった。

 試合はそのまま3-1で終了。23日(日本時間24日)のアウェーへ、アドバンテージを持って臨むことができる(アウェーゴール1点のクウェートは、2点に計算される)。

 「まだ半分しか終っていない」=関塚監督

 相手がある程度引いてくるだろうと、中盤の構成を変えながらやった。効果があってボールがよく回った。しかし、距離感が離れてしまうなど、これから修正していかないといけない。アウェーゴールはさせたくなかったが、最低限の結果、こちらで勝って2点差というところには持っていけたかな、と思う。(前半と後半の違いは)相手が押せ押せできたことで、5分、10分、落ち着くまでにかかってしまった。

 戦い方については予想通りだった。(永井について)行けるという話はあったが、スタッフと状況を見てということで判断していた。攻撃陣は、よくボールを動かしながらゴールを狙ってくれた。選手間で、はじめの15分間、横パスではなく前に、とか、前向きな話をしたようだ。ロッカーにアップから戻ったところでは、よし、勝ってやろう、という、とてもいい雰囲気があったので、特に私から声をかけることもなく選手たちが強い気持ちで臨んでくれたようだ。1日の試合からは、コンディションのバラつきがなくなっていった。

 清武が確実に決めてくれ、ピッチの中でも声をかけるなど、貢献してくれた。次の試合はメンタル面だと思う。しっかりした気持ちで行きたい。まだ半分しか終わっていない。

  「集中力が切れてしまった」=シェマリ監督

 心配していたことが起きてしまった。集中力が途中で切れてしまった。2点目はそういうミスだった。国際大会での経験がまだ少なく、日本の選手のほうが経験があると思う。
 (アウェー1点は重いと思うが)前半2点入ってしまい、できるだけこのまま行こう(失点は)と指示はした。しかし1点を得たことで、ホームでのチャンスはまだ残っている。後半のメンバー交代も戦術もうまく行ったが、集中力を失ってしまったことが残念だ。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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