スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2010年11月30日 (火)

【W杯招致】「プレゼンテーション猛特訓、お楽しみに」-田嶋副会長、現地での囲み会見

 30日=チューリッヒ 天候晴れ、気温マイナス1度

 12月1日に行われる、サッカーW杯招致最終プレゼンテーション(日本は午後6時から、日本時間2日深夜2時)の登壇者5人が正式に決まった。すでに発表された2002年生まれ8歳の佐々木りおさん、小倉純二会長、田嶋幸三副会長のほか、3Dなど先端技術をアピールするソニーのハーワード・ーストリンガー会長、鈴木寛・文部科学省副大臣の5人となった。30日は現地でスタジオを借りて最後のリハーサルが行われる。

 午前10時からは、登壇者の一人でもある田嶋副会長が囲みの会見を行い、リハーサルの状況などを説明した。当初、登壇することが伝えられた鳩山前首相は、国会会期中で予定がつかず、鈴木・副大臣が政府を代表することになった。

 プレゼンテーションでは、佐々木さんが未来に向けたW杯を象徴するような話を、小倉会長はFIFA理事としてメンバーに強い意思を訴え、田嶋さんは、日本協会が2006年から続けている「夢先生」の社会貢献活動と、W杯の提案書にあげた、世界中の子どもを広島・長崎に招待して平和について考えてもらいたい、とする「ドリームツアー」をアピール、ストリンガー氏にはピッチ上のテクノロジーなど、鈴木氏は政府を代表して保証の内容を説明、それぞれ役割を分担しながら30分、英語をベースに行うという。イギリスからは著名なスピーチトレーナー(演出家)をつけ、「どこを強調するのかを明確に」といった抑揚、感情移入を交えた話し方を指導されており、田嶋氏は「最初はこっぱずかしかった」と苦笑いしながら、「(他国は著名人が出席するが)日本はあくまでも中身をどう伝えるか。恥ずかしいとかそんなことはもう言っていられない。試合と同じで、ベンチ裏で(何万人の前で)アップするのを、恥ずかしいとか言ってる場合ではないから」と覚悟を決め、もっとも話し方が上手い、と子役で鍛えたりおちゃんに感化されているようだ。投票動向にどう結びつくかは別としても、失敗は票を失う口実になりかねない。

 もっとも重要な、日本が何票を獲得できるかについての分析は公表はされていないが、「日本は全ての可能性を考えて(投票動向を)計算している。票のバータ(取り引き)は禁止されており、最後までフェアに戦う」と改めて強調した。今回は、(1)2018年と22年の大会が同時に決定する方式、(2)22人の理事投票は、最下位から落ち、最後に過半数を取るまで行われる「五輪方式」、が初めて採用される。2018年はスペイン・ポルトガルの共催、2022年は史上最大の観客数を提案している米国が一歩リードしており、各国とも勝者になることと同時に、1回戦敗退を回避したいといった思惑も投票動向に影響する。

■投票の方法
12月1日に、2022年立候補5ケ国が30分ずつのプレゼンテーションを行い、翌日は2018年の4団体(共催2団体)が行う(以下参考)。その後、22人の理事による投票で最下位から脱落し、過半数を得るまで投票が続く、一般的に「オリンピック方式」と呼ばれる方法が今回初めて採用される。決定は、現地2日午後4時、日本時間の3日深夜零時となる。

■プレゼンテーションスケジュール
○12月1日 2022W杯招致立候補国プレゼンテーション
※カッコ内はそれぞれのアピールポイント
14時~ オーストラリア「オセアニア初開催」
15時~ 韓国「朝鮮半島の平和の実現へ」
16時~ カタール「中東初の開催を先端の空調で実現」
17時~ アメリカ「過去最多495万人動員」
18時~ 日本「先端技術を駆使し次世代W杯を」 ※日本時間深夜2時

○12月2日 2018W杯招致立候補国プレゼンテーション
9時~ ベルギー・オランダ
10時~ スペイン・ポルトガル
11時~ イングランド
12時~ ロシア

■FIFA理事一覧 ※「*」:立候補している国の理事
○会長
ジョセフ・S・ブラッター(スイス)

○ヨーロッパ(UEFA):9名
*副会長 アンヘル・マリア・ビジャル・ジョーナ(*スペイン)
副会長 ミシェル・プラティニ(フランス)
*副会長 ジェフ・トンプソン(*イングランド)
*理事 ミシェル・ドーグ(*ベルギー)
理事 セネ・アージック(トルコ)
理事 マリオス・レフカリティス(キプロス)
理事 フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ)
*理事 ビタリー・ムトゥコ(*ロシア)

○アジア(AFC):4名
*副会長 チョン・モン・ジュン(*韓国)
*理事 モハメド・ビン・ハマム(*カタール)
理事 ワラウィ・マクディ(タイ)
*理事 小倉純二(*日本)

○北中米(CONCACAF):3名
副会長 ジャック・A・ワーナー(トリニダード・トバゴ)
*理事 チャック・ブレーザー(*アメリカ)
理事 ラファエル・サルゲロ(グアテマラ)

○南米(CONMEBOL):3名
筆頭副会長 フリオ・H・グロンドーナ(アルゼンチン)
理事 リカルド・テシェイラ(ブラジル)
理事 ニコラス・レオス(パラグアイ)

○アフリカ(CAF):3名
副会長 イッサ・ハヤトゥー(カメルーン)
理事 ジャック・アヌマ(コート・ジボワール)
理事 ハニー・アボ・リダ(エジプト)

○オセアニア(OFC):0名

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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