鹿島9年ぶり最多の9回目のV達成 鬼木監督は就任1年目でJ初の2クラブでの優勝「プロとして初めて鹿島にお世話になったが貢献できなかった自分が、これでやっとクラブの一員になれた」会見で32年かかったの’恩返し’に言及
6日=鹿島・メルカリスタジアム(観衆3万7039人) 25年のJ1リーグは最終となる第38節を迎え、鹿島アントラーズが横浜Fマリノスを迎えるホーム戦で勝利し(2―1)9年ぶり9回目のJリーグ制覇を果たした。前半20分、リーグ得点王を決めるFWレオ・セアラのゴールで先制すると後半12分にも追加点を奪うなどエースの2ゴールの活躍で、川崎Fで4度のJリーグ制覇を成し遂げた鬼木達監督の就任1年目に常勝軍団が鮮やかに復活を遂げた。
Jリーグの複数のクラブで優勝を果たしたのは鬼木監督が初めてとなった。また勝ち点1差で2位に迫った柏はホームで町田に勝利(1-0)したが及ばなかった。
鬼木監督は「スタメンを勝ち取った2人」と、前節の東京V戦(◯1-0)で決勝点をあげたMF松村優太、MF荒木遼太郎をともに先発させ、降格の危機から4連勝中と波に乗っている横浜Fマリノス相手の「決勝戦」に勝負をかけた。「前半得点できなければ厳しい展開になる」と踏んだ鬼木監督は立ち上がりから攻める姿勢を貫くようにミーティングで指示。マリノスがシュートまで持ち込めないほどの勢いで試合を展開すると20分、優勝への道が開かれた。
MFの知念慶が中盤の競り合いからボールをつなぐと、荒木が右サイドへ。右サイトに東京V戦で泥臭くゴールをものにした松村がドリブルで突破して荒木へ折り返した。荒木は右足でのシュートは大きく浮いてしまったが、荒木はここで自ら身体を入れてDFを背後に押し込めると再度ボールを奪って、これをオーバーヘッドキックでゴール前に返し、FWレオ・セアラが右足ボレーで先制ゴールとした。
前節の東京V戦の松村のゴール、10月の京都戦でアディショナルタイムに同点とした鈴木優磨のゴール、荒木がこの日見せたシュートミスをアシストに繋げたこのプレーと、勝負どころで身体を張った泥臭いプレーでギリギリの勝負を手にした今季の鹿島を象徴するプレーだった。
鹿島はボールポゼッション67%、シュート数5対0(Jリーグ公式)と圧倒して折り返した。
後半12分、鹿島は松村の守備でパスミスを誘い、右サイドでDF濃野公人がスルーパスを松村へ、松村のクロスに飛び込んだレオ・セアラがヘディングで2点目を決めた。レオ・セアラにとってC大阪時の昨年に並ぶ21点目が優勝と得点王両方を手にするゴールとなった。アディショナルタイムにはマリノスの天野純が1点返したが、試合はそのまま鹿島が16年以来9年ぶり、史上最多となる9回目の優勝で25年Jリーグを締めくくった。
シャーレを掲げた後に会見に臨んだ鬼木監督は穏やかな表情で「何だかほっとしている。サポーターが勝たせてくれる素晴らしい雰囲気を作ってくれたが、もし(タイトルを)取っていなかったら(逆に)どんな雰囲気になったかと考えると怖いんですけれど・・・感無量です」とスタートからユーモアたっぷりに会見場を沸かせた。
そして、1993年、秋田豊氏らと同期で「Jリーグ元年」に鹿島に加入してから32年の思いを「鹿島でプロとして初めてお世話になったが選手として貢献できなかった自分が、この優勝でやっとクラブの一員になれた気がする」と真摯な姿勢で表現していた。


