スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2025年12月 6日 (土)

鹿島9年ぶり最多の9回目のV達成 鬼木監督は就任1年目でJ初の2クラブでの優勝「プロとして初めて鹿島にお世話になったが貢献できなかった自分が、これでやっとクラブの一員になれた」会見で32年かかったの’恩返し’に言及

6日=鹿島・メルカリスタジアム(観衆3万7039人) 25年のJ1リーグは最終となる第38節を迎え、鹿島アントラーズが横浜Fマリノスを迎えるホーム戦で勝利し(2―1)9年ぶり9回目のJリーグ制覇を果たした。前半20分、リーグ得点王を決めるFWレオ・セアラのゴールで先制すると後半12分にも追加点を奪うなどエースの2ゴールの活躍で、川崎Fで4度のJリーグ制覇を成し遂げた鬼木達監督の就任1年目に常勝軍団が鮮やかに復活を遂げた。
 Jリーグの複数のクラブで優勝を果たしたのは鬼木監督が初めてとなった。また勝ち点1差で2位に迫った柏はホームで町田に勝利(1-0)したが及ばなかった。
鬼木監督は「スタメンを勝ち取った2人」と、前節の東京V戦(◯1-0)で決勝点をあげたMF松村優太、MF荒木遼太郎をともに先発させ、降格の危機から4連勝中と波に乗っている横浜Fマリノス相手の「決勝戦」に勝負をかけた。「前半得点できなければ厳しい展開になる」と踏んだ鬼木監督は立ち上がりから攻める姿勢を貫くようにミーティングで指示。マリノスがシュートまで持ち込めないほどの勢いで試合を展開すると20分、優勝への道が開かれた。
 MFの知念慶が中盤の競り合いからボールをつなぐと、荒木が右サイドへ。右サイトに東京V戦で泥臭くゴールをものにした松村がドリブルで突破して荒木へ折り返した。荒木は右足でのシュートは大きく浮いてしまったが、荒木はここで自ら身体を入れてDFを背後に押し込めると再度ボールを奪って、これをオーバーヘッドキックでゴール前に返し、FWレオ・セアラが右足ボレーで先制ゴールとした。
 前節の東京V戦の松村のゴール、10月の京都戦でアディショナルタイムに同点とした鈴木優磨のゴール、荒木がこの日見せたシュートミスをアシストに繋げたこのプレーと、勝負どころで身体を張った泥臭いプレーでギリギリの勝負を手にした今季の鹿島を象徴するプレーだった。
 鹿島はボールポゼッション67%、シュート数5対0(Jリーグ公式)と圧倒して折り返した。
 後半12分、鹿島は松村の守備でパスミスを誘い、右サイドでDF濃野公人がスルーパスを松村へ、松村のクロスに飛び込んだレオ・セアラがヘディングで2点目を決めた。レオ・セアラにとってC大阪時の昨年に並ぶ21点目が優勝と得点王両方を手にするゴールとなった。アディショナルタイムにはマリノスの天野純が1点返したが、試合はそのまま鹿島が16年以来9年ぶり、史上最多となる9回目の優勝で25年Jリーグを締めくくった。
 シャーレを掲げた後に会見に臨んだ鬼木監督は穏やかな表情で「何だかほっとしている。サポーターが勝たせてくれる素晴らしい雰囲気を作ってくれたが、もし(タイトルを)取っていなかったら(逆に)どんな雰囲気になったかと考えると怖いんですけれど・・・感無量です」とスタートからユーモアたっぷりに会見場を沸かせた。
 そして、1993年、秋田豊氏らと同期で「Jリーグ元年」に鹿島に加入してから32年の思いを「鹿島でプロとして初めてお世話になったが選手として貢献できなかった自分が、この優勝でやっとクラブの一員になれた気がする」と真摯な姿勢で表現していた。

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2025年12月 6日 (土)

26年W杯北中米大会組み合わせ決定 F組の日本代表は初戦でオランダと対戦 2試合目チュニジア 3試合目は欧州プレーオフの勝者 対戦国と同時に中部地域の開催で移動によるコンディションも勝ち抜くポイントに

初の3カ国共催で48カ国に出場枠が拡大された26年のサッカーW杯北中米大会の抽選会が5日(日本時間6日)米・ワシントンDCで行われ、日本代表の森保一監督(57)が会場で見つめるなか、8大会連続出場を果たした日本はFIFAランキング7位のオランダと同じF組に入った。オランダは欧州予選を無敗で突破。初戦6月14日に対戦する。2戦目にはランキング40位のアフリカのチュニジア(6月20日)と対戦。同国は予選無敗で堅守を持ち味とする。3戦目(6月25日)にはヨーロッパプレーオフで勝ち上がって来るウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれかと対戦する。
 試合会場とキックオフについての詳細は6日に改めて発表されるが、F組の会場はメキシコのモンテレー(高地ではない)と、アメリカではダラス、ヒューストン、カンザスシティーなど広域開催のため分割された「中部地域」で組まれており移動距離は他組に比べると長く、コンディションを整える準備もポイントになりそうだ。
代表が期間中に拠点とする「ベースキャンプ」もすでに何か所か候補に入れて受け入れの交渉も水面下で行って来た。室内、屋外のピッチ、トレーニング、リラックスして過ごせるか、疲労回復、食料の調達など生活環境を考慮して選定する。こちらも近く決定する。
森保監督は抽選会後、「非常に厳しいグループに入ったかと思う」と対戦国の印象を話し、「W杯を最速で決めたので、移動やアメリカ、カナダ、メキシコと色々な場所で試合をするのはすでに想定してきたので準備にはアドバンテージがある」と移動など試合会場への準備も口にした(NHKライブ中継から)。

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2025年12月 4日 (木)

サッカー日本代表森保監督 北中米W杯抽選会出席のため米・ワシントンへ出発「(どこが来ても)現実を受け入れる」抽選後に日本代表の大会中の拠点も決まる見通し

4日=羽田空港 サッカー日本代表の森保一監督(57)が、来年の北中米3カ国によるW杯の抽選会に向け米・ワシントンに出発した(抽選は5日=日本時間6日)。出場が48カ国になる初の大会でFIFAランキング19位の日本は抽選を行うための「ポット分け」で、初めて(ランキング上位から振り分けられる)第2ポットに入り、前回22年カタール大会のいわゆる「死の組」と評される強豪国のグループに入る可能性は低いと予想される。
 しかしランキングだけではなくまだ欧州と大陸間プレーオフが終っていないためランキングの振り分けでは第4ポットになるグループに、W杯優勝経験国イタリアやデンマークが入る可能性がある。またランキングは日本より下位の第3ポットにはし烈な欧州予選を全勝でクリアしたノルウェーが入り、エースのハーランド(マンチェスターC)はプレミアリーグの得点ランキングでトップを走る脅威の’ストライカー。
 森保監督はこうした状況に「(ポット分けは)どうもこうもないので・・・」と苦笑いし「そこは分かっていますし、目標は優勝ですからどこと対戦しても(目標は)同じです。結局は勝っていかないといけないので、その点(ポット4の顔ぶれ)については相手をリスペクトしつつ、しっかりと分析して上回って行きたい。現実を受け入れて、その中でベストを尽くす」と落ち着いている。抽選決定後に、日本代表が大会中の拠点とするベースキャンプも決まるとみられ、帰国までの1週間はW杯の結果を左右するプレ準備となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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