スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年9月 5日 (木)

「負けスタートはどれほど苦しくなるか選手たちで共有できた」2得点で代表23点目となった南野拓実 「同じ轍は踏まないと勝利を目指した」森保監督

〇・・・3トップの一角で出場した南野拓実は後半立ち上がりの7分、13分にゴールを決めこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出された。日本代表でのゴールはこれで高原直泰に並ぶ23点目となった。試合後、「最終予選の初戦、前回は負けスタートでどれほど苦しいグループリーグになるかを経験した選手たちで共有していた。重要な試合で勝利できて本当に良かった。次のアウェーも厳しい戦いになるので気を引き締めてチーム一丸となって頑張りたい」と話した。

 森保一監督 (この試合に向けてチームの戦術と個々の役割を徹底し共有すると話していたが) 前回初戦を落としてしまい同じ轍を踏まないように考えた中で、ピッチ上の練習が2回でき攻守の確認ができたのが良かった。前回のオマーン戦は、(前日に全員が集まったため)コンディションを重視しイメージを共有するだけで終わってしまったが、今回は月曜の夜に全員揃うことができた。協会のお陰でもあるが、(2日間)練習できたのが勝利につながった。(バーレーンがアウェーでオーストラリアに勝利し)改めて最終予選に簡単は戦いはない。気を緩めてはいけないと思うし、(豪州がホームで敗れた試合は)自分たちへの戒めの結果だと思う。

 宮本恒靖会長 (会長として迎えた初めてのW杯最終予選は)やはり緊張感がありました。選手も堅さがあった。点差があっても(ワンプレーを)流さない。ジャストワンゲーム(この試合だけ)という感じではなく、選手の意識の高さが表れていたと思う。(伊東の復帰への歓声を聞いて)温かく待ってくださっていたんだと思うし、伊東が点を取った際のチームの雰囲気も良かった。次のバーレーンのアウェーは、バーレーンがオーストラリアに(アウェーで)勝っているしその結果を見て選手も気を引き締めていくはずだ。最終予選は1回り(最初の5戦)が終りまではまだ何も見えない(厳しい戦いは変らない)

 中国・イバンコビッチ監督 守備を固めて日本の勢いを止めたかったので後半5バックに変更し中盤の力を高め得たいと考えたが(結果的に)ゴールを(日本に)量産されてしまった。日本がワールドクラスのチームであることはこれまでも繰り返して来た。きょうは個人のプレーの質がとても高かった。今回はメンバーを多く入れ替えており、この試合から若い選手たちは色々学び私も今後に繋げていく。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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