スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年8月12日 (月)

陸上110㍍障害初の決勝進出を果たした村竹ラシッド、2大会連続入賞の3000㍍三浦龍司、混合競歩の岡田・川野が帰国「ジョジョ立ちで楽しむことを思い出した」村竹

11日=羽田空港 パリオリンピック陸上の男子110メートル障害で、個人の短距離種目として日本勢過去最高の5位入賞を果たした村竹ラシッド(22=JAL、13秒21)、東京に続き2大会連続で男子3000メートル障害(22=SUBAR、8分11秒72 で8位)で入賞を果たした三浦龍司、今大会新種目となった競歩の混合で8位に入賞した岡田久美子(32=富士通)、川野将虎(25=旭化成)らが帰国し改めてパリでの競技を振り返った。
 順大同期の村竹と三浦は、早くも来年の東京世界陸上に向かって気持ちを切り替えたという。
 三浦は「楽しかったなという思いと、今ちょっとふつふつと悔しさが込み上げてきているところです」と、収穫は多かった反面、「ラストの走りはもっと上げていかなければ記録で(自分が)詰めても、相手もまた伸ばしていく」と世界で戦う実感を強い言葉に込めた。
 村竹は、決勝でトラック入場の際に「ジョジョ立ち」のポーズでパフォーマンスを披露した理由を笑顔で明かした。準決勝を終え着順での進出はできず、タイムでの決勝進出となったために他の組の結果を祈りながら、トラックの隅で見守った。長く、苦しい時間に「決勝が決まるまでに(敗退か進出かをトラックの隅で見ていたので)憔悴しきってしまって・・一番大事にしていた、楽しむという気持ちを忘れていたな、と。なんかインパクトを残せるかな、と考え、自分はジョジョが好きなので」と、短い時間で決勝へマインドを切り替え5位をもぎ取った。
 すでにレースの動画を見返し、海外勢に比べて抜き足がやや遅かったとレースから帰国までに分析済みだ。「そこを改善し悔しさを来年の東京世界陸上にぶつけるつもりです。メダルを獲ることが目標。国立で成果を発揮したい」と力を込めた。パリ五輪で、オリンピックの舞台に何度でも立ちたいと心から思えたという。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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