スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年8月 9日 (金)

パリ五輪バドミントン選手団が帰国会見「ジャパンオープンに向け気持ちを切り替える」渡辺・東野ペア 出迎えた村井会長は9月の公開をめどに21年東京とパリ両五輪の総括レポートを作成する方針明かす 

9日=羽田空港 銅メダル2つを獲得したバドミントン選手団が8日の帰国から明け、9日午前羽田空港で会見を行った。
初の五輪2大会連続メダルを手にした混合ダブルスの渡辺勇大・東野有紗、初の五輪出場で女子ダブルス銅メダルに輝いた志田千陽と松山奈未は村井満会長らから大きな花束を受けてホッとしたように笑顔を浮かべた。
 志田は「初めてのオリンピックで緊張するかと思ったが今までで一番楽しめた試合だった」と、改めて快進撃の理由を振り返った。松山も「(パリまで)2人で走り抜けることができて幸せだった」と充実感を漂わせた。バドミントンは20日から「ジャパンオープン」(25日まで、横浜アリーナ)が始まるため、選手たちは休養よりも気持ちを切り替え大会に備えなくてはならない。東野は、「今は、ジャパンオープンがあるので(昨年優勝者でもあり)切り替えるようにしたい」と話し、渡辺は「今、センパイがおっしゃって下さった通り」と、ともに10日後に控える五輪後初戦に照準を合わせた

 東野は、五輪が終わりチャレンジしてみたいことは何かあるか、と聞かれ、「やりたい、というわけではないけれど、スカイダビング」とチャレンジを楽しみにしているようだった。
 会見には前・Jリーグチェアマンの村井満会長が出席し選手を労った。会長は、「(パリ五輪で)選手たちは力を出し尽くしてくれたが、協会としては(21年の)東京五輪を含めて今回の総括をしたいと思っている」と、9月末に、東京五輪の結果を含めての2大会総括レポートを作成する方針を明かした。村井会長によると、選手、所属チーム、スタッフ、協会内部と100名近い関係者のアンケートと合わせ個別インタビューをていねいに実施し、そこからバドミントン界の将来に向けて強化、選手のためのコンディショニング、また人口が拡大している好循環の普及にもつなげていくもの。レポートは公開する予定。 
 昨年会長に就任して迎えた初めての五輪で、現地でも観戦し選手を激励した。視察のなかで特に個人競技の特徴と選手のコンディショニングに注目。選手、代表チームの監督、所属チームの体制を集結したいとした。また、中国選手が20代前半で五輪の舞台に立っている点について、「日本の今の中学生たちが32年の夏季五輪を開催地・ブリスベン(オーストラリア)の主力になるためには、(日本協会の)本丸として最高レベルの強化体制も検討していかなくては」と、早くも2大会先の五輪を見据えた。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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