パリ五輪サッカーU23代表の8強に「難しいかじ取りをしてくれた」と技術委員会が大岩剛監督を評価 一方ロス五輪に向け「U23」をどう位置付けるかが課題 オーバーエージ不要の声も
28日=日本サッカー協会(JFAハウス=東京都文京区) 日本サッカー協会が技術委員会を開き、7,8月に行われたパリオリンピックを8強で終えたU23日本代表の結果などを総括し影山雅永技術委員長が会議後取材に対応した。大岩ジャパンは、1968年のメキシコ五輪以来となるメダル獲得を目指し、金メダルを目標に掲げて大会に臨んだ。グループリーグをパラグアイ、マリ、イスラエルに3戦全勝で突破した後、決勝トーナメントに進出。準々決勝でスペイン(金メダルを獲得)に0―3と完敗して8強止まりだった。影山氏は「(五輪は)選手選考の部分、クラブとのやりとり、オーバーエージ(OA)などさまざまある中で、大岩監督が難しいかじ取りをマネージメントしてくれ、あそこまでの成績を出してくれた」と、選手選考の制約がある中での8強に一定の評価をしたと明かした。
五輪で金メダルを獲得したスペインは、OAを国内リーグの選手のみと限定。直前に優勝を果たした欧州選手権に出場した時間を含めて選手の健康にも重点を置いたメンバー構成で臨むなど、U23という限定した代表で重要な点は「国のサッカー協会がどのように五輪を位置付け、選手選考を行うか」のスタンスの決定となる。この点が技術委員会でも議論された。
影山氏は「今後の(五輪世代にあたる)U―23のカテゴリーに関して、JFAとしてこう考えていかないといけないと議論した。(今回)オーバーエージではなくU23でも呼べない選手が出た。そこに関してはいろいろな意見が出た。オーバーエージは使わなくてもいい、国内組だけでやればいい、いや、呼べるなら呼んだほうがいい、など意見が出た。いずれにしても(選手)個別での対応を考えてベストを尽くしていく」と説明。様々な意見が出るなかで、育成を重視し「OA不要」と発言する技術委員もいたという。今後、大岩監督を含めスタッフの意見、選手の感想や所属クラブの意見をレポートにまとめて検討の材料にする考えだ。
東京からパリは(延期)2年半の活動期間でアジア予選を勝ち抜き(アジア選手権優勝)パリに備えた。次の28年ロサンゼルス五輪へは時間もあり、体制を検討するためにはロスで主力となるU20の年代と彼らが目指すU20W杯チリ大会に向けての強化、何よりも協会の「スタンス」を明確にしたうえで後任監督人事、強化体制を検討していく。