パリオリンピック11日のフィナーレとなる女子マラソンの日本代表、10日に行われる男子3人がオンライン会見
9日オンライン会見 パリオリンピック陸上の男女マラソン(男子は10日午後3時、女子は最終日の11日午後3時スタート)代表6人がオンラインで会見を行い、現在のコンディションや目標をメディアに話した。マラソンはそれぞれが異なる場所で調整してパリに集合する形でトレーニングを積んできた。パリのマラソンは名所が織り込まれた美しい観光コースである反面、過去のマラソンレースと比較してもかなり厳しい起伏を攻略しなければならない難コースでもある。
前田穂南(28=天満屋)は今年1月の大阪国際女子マラソンで野口みずき以来19年ぶりに日本記録を更新(現在世界記録は2時間11分53秒、前田の日本記録は2時間18分59秒)。日本記録保持者として2度目のオリンピックに挑む。暑さ対策や準備のために、東京五輪では1年前の19年9月に選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」が実施され、前田は2時間25分15秒で優勝。一番手で代表に選出された後、コロナ禍で大会が延期となり心身のピークを失うなどの影響を受け33位(2時間35分28秒)に終わった。
今回は日本記録保持者として名実ともエースとなって雪辱を喫す。6月から米国の高地、アルバカーキで起伏のある坂を使って距離を積んだ。「起伏を使って距離を走ってきた。今は疲労が溜まっていて、今、抜いている状態。自分の最大限のパフォーマンスを発揮して、最後まで走り切りたいと」と正面のカメラを見据えて話した。コロナ禍の東京ではかなわなかった沿道の応援も力に変える。
東京では04年アテネ五輪以来、日本女子マラソンでの入賞(8位)を果たした一山麻緒(27=資生堂)もコロナ禍で声援を受けられずに走ったレースを振り返り、「(パリで)本当の五輪を経験できる。東京よりもいい順位でゴールできたらうれしい」と落ち着いた様子で話した。夫で、パリにも挑戦しながら代表になれなかった男子マラソンの日本記録保持者、鈴木健吾からは「楽しんできて」と声をかけられたという。
初出場の鈴木優花(24=第一生命グループ)は8位入賞の目標を口にした。前半15km前後にある長い上り坂、その後の下り終わりまでで、いかに消耗せずに行けるか」と、アップダウンの攻略に米国の高地ボルダーで約2か月の練習をこなしてきた。
女子マラソンは大会のフィナーレで行われる。日本女子マラソン陣は、2000年のシドニー五輪で高橋尚子が、04年のアテネ五輪で野口みずきと2大会連続金メダルの黄金時代の後、北京、ロンドン、リオデジャネイロと3大会で10位以内にも入れず東京で一山が8位と一矢報いた。