スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年8月 2日 (金)

バスケットボ―ル男子 1次リーグ2戦で44点をあげたエース・八村塁が左足負傷で離脱「非常によい試合ができ誇りに感じる。引き続き応援を・・・」協会を通じてコメント チームは2日夜リーグ最終ブラジル戦へ

パリ2日午前 日本バスケットボール協会は、パリオリンピックに出場中の男子日本代表・八村塁(26=レーカーズ)が「左ひ腹筋負傷」のためにチームを離脱すると発表した。八村は7月30日、オーバータイムの激戦で惜敗したフランス戦(90対94)で、残り8分31秒でこの試合2回目となる「アンスポーツマンライクファウル」とジャッジされ退場処分となった。ドイツ戦フランス戦で44得点をあげたエースが離脱するなか、今夜1次リーグ最終戦となるブラジル戦でトーナメント進出をかける。

 八村はフランス戦後、左ふくらはぎの違和感を訴え現地でMRI検査を行った結果、ひ腹筋の負傷が判明しプレーに支障があるとの診断を受けた。NBA・FIBAルールではプレーに支障があると診断を受けた場合、チームに帯同しながらの治療やリハビリはできないためJOC(日本オリンピック委員会)との協議の上、離脱が決まった。
 八村は協会を通じて「けがの早期治療が必要になったため、NBA/FIBAルールに基づき残念ながらチームへの帯同ができなくなりました。チームのメンバーとともに日本バスケにとっても非常によい試合ができたと思いますし、日本代表の一員としてプレーできたことを誇りに感じています。いま日本代表はブラジル戦の勝利に向けて挑み続けています。引き続き、AKATSUKI JAPANへの応援をよろしくお願いいたします」」とコメント。東野智弥・技術委員長は「残念ながら次戦以降の試合には出場できないことが決定しました。その後、JOCならびに日本選手団の理解を得て、チームからの早期離脱が決定しました」と経緯を説明した(ともに発表資料より抜粋)

 八村は7月、代表決定後の会見で「日本代表でやれることを誇りに思う。アメリカ、NBAでやってきたことをチームメイトやファンに見せれることが嬉しいし、オフェンスもリバウンドでもプレーで引っ張っていければと思う」と今大会への決意を話していた。その言葉通りドイツ戦、フランス戦ともに先発しドイツ戦(77対97)では(36分19秒プレー)20得点、10リバウンド、フランス戦(28分2秒プレー)では24得点3リバウンドと有言実行でチームをけん引してきただけに自身にもチームにも辛い決断となった。 チームは2日(日本時間3日)の1次リーグ最終戦で決勝トーナメント進出をかけてブラジルと対戦する。同じB組ではすでにドイツ、フランスが2勝し準々決勝進出。日本が準々決勝に進出するにはブラジルに勝利してB組3位となり、3つのグループ中、成績上位2チームにも入る必要があるため勝利だけではなく、得失点差をできる限りプラスにする内容も必要となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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