スポーツライター増島みどりのザ・スタジアム

2024年7月13日 (土)

パリ五輪参加の日本サッカー女子審判団3人が会見 「真面目さを自信に変えて日本の良さを表現したい」(山下)「なでしこジャパンのメダルを祈り自分たちも力を出す」(坊薗)「3回目の今度こそオリンピックを楽しみたい」(手代木)

13日=金沢ゴーゴーカレースタジアム パリオリンピックサッカー競技に審判員に指名された山下良美、坊薗(ぼうぞの)真琴、手代木(てしろぎ)直美の3人が、なでしこジャパンのガーナ女子代表と国際親善マッチを前に取材に対応した。3人は今年1月のアジアカップ(森保ジャパンはベスト8)をはじめ、オリンピックは21年開催の東京五輪に続き2大会連続、19年(フランス)、23年(オーストラリア・ニュージーラン)の女子W杯とサッカーの主要4大会続けて3人の「チームジャパン」でビッグイベントに呼ばれ世界的に高い評価を受けている。
 Jリーグ、女子プロサッカーWEリーグでも男女なく笛を吹き五輪も経験しており、「審判員として培ってきたこと、フィールドでもそれ以外の面でも精いっぱい発揮できるように頑張りたい」(山下)「素晴らしいイベントに参加できてうれしく光栄。オリンピックで私たちのような立場(審判)でも参加できると少しでも知ってもらいたい」(坊薗)「2016年のリオはあっという間に終わり、20年は(コロナ禍で)難しい大会だった。今回こそ心から五輪を楽しみたい」(手代木)と落ち着いた様子で大舞台に備えている。
 「とにかく目の前の試合ひとつひとつに集中することが大事」と3人とも口を揃えたが、チームジャパンの持ち味について、山下は「真面目さを自信に変えて表現したい」とし、坊薗が「空気を読める。今(ピッチで)笑いが必要だと思えば、場が和むようにする。自己犠牲の精神で協調性で試合を上手く進める」と言うと、山下と手代木が笑い出すなど「場が和む」を披露した。
 手代木は、W杯と違い五輪では各競技を見る機会もありそこで審判同士、色々な競技について談義できるのも楽しみだという。日本人の審判はなでしこの試合を担当できないが、坊薗は「なでしこジャパンが五輪でメダルを獲ることを私たちもファンとして、活躍を期待して祈り、それとともに私たちも力を出せたらと思う」とエールを送っていた。
 パリ五輪のサッカーは、開会式に先駆け現地24日に男子の開幕戦(パラグアイ、ボルドー)が行われ、翌日に女子がナントでのスペイン戦で開幕。決勝戦は男子が8月9日、女子が8月10日に予定され、大会前から始まり最終日まで競技が続く「背骨」として日本選手団にも力をもたらす存在となる。

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増島みどり プロフィール

1961年生まれ、学習院大からスポーツ紙記者を経て97年、フリーのスポーツライターに。サッカーW杯、夏・冬五輪など現地で取材する。
98年フランスW杯代表39人のインタビューをまとめた「6月の軌跡」(文芸春秋)でミズノスポーツライター賞受賞、「GK論」(講談社)、「彼女たちの42・195キロ」(文芸春秋)、「100年目のオリンピアンたち」(角川書店)、「中田英寿 IN HIS TIME」(光文社)、「名波浩 夢の中まで左足」(ベースボールマガジン社)等著作も多数

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